ベルシステム24 ワークスタイル 勝どき
本社受付に障がい者が運営する企業内カフェをオープン

「おいしいから飲みたい」と思う高品質のコーヒーを提供する、プレミアムカフェの挑戦

ナツママ

こんにちは。ナツママです。

2019年2月7日、東京は勝どきにあるベルシステム24の本社受付に、全国でも珍しい障がい者社員が運営するカフェがオープンし、淹れたてのコーヒーの香りに包まれました。

運営は(株)ベル・ソレイユ。障がいを持つ方の就労を目的にした、ベルシステム24ホールディングスの特例子会社です。提供するコーヒーは、その高い品質で国内外に多くのファンを持つ日本を代表するコーヒーブランドの1つ、ミカフェートがプロデュース。スタッフが1杯1杯、ハンドドリップで丁寧に淹れます。

オープンまでの約2か月間、ミカフェートのバリスタが指導員として監修し、コーヒーの淹れ方を特訓。運営方法も、彼ら一人ひとりのスキルに合わせ、試行錯誤しながら全員が一丸となって工夫を重ね、2月7日のオープンに臨みました。

この日は、報道機関をお招きした記者発表会と、試飲会が行われました。発表会では、ミカフェートの川島社長、タイの麻薬栽培地域においてコーヒーへの転作プロジェクトを進めるメーファールアン財団代表のデューク様にも登壇いただき、今回の取り組みの背景などをお話しいただきました。

左から 川島社長、柘植社長、デューク様
当日は報道関係者の皆さんをお招きし、試飲会を実施

そして、オープンから約1か月が経ちました。来客に際し、従業員が予約をして利用します。

お客様に淹れたてのコーヒーをお渡ししています

今回は、カフェのスタッフにフォーカスし、オープンまでの彼らの様子や反響などをお伝えします。

障がい者が淹れるからではなく、おいしいから飲みたくなる品質を

酸味、雑味が出ないよう、グラム数を計りながら丁寧に淹れる

カフェのコーヒーは、ミカフェートのオリジナルブレンドを使用しています。

運営は障がいを持つスタッフが行います。「障がい者が淹れるから」ではなく、「おいしいから、また飲みたい」と言っていただける品質です。

ミカフェートとは
新たなコーヒー豆を探し、世界中を飛び回ることから「コーヒーハンター」と呼ばれる川島 良彰氏が2008年に立ち上げたコーヒー豆の輸入、販売を行う会社です。コンセプトは「すべてのコーヒーをおいしくする」。樹の選別から栽培、抽出に至る全ての工程に独自の品質基準を設け、グレード別に様々なコーヒーを取り扱っています。その高い品質からGINZA SIXへの出店をはじめJAL機内、星野リゾートなどで提供されているほか、国内外のコーヒー愛好家から熱い支持を得る、日本を代表するコーヒーブランドの1つです。
また、日本企業で初めて「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」に参画。タイ王国メーファールアン財団によるドイトゥンプロジェクトの技術指導、ルワンダでのJICAプロジェクト支援、コロンビアで地域の障がい者を受け入れるフェダール農園への支援など、麻薬栽培、失業、貧困などの社会問題を抱える国や地域で、社会環境に配慮したコーヒー栽培や農園管理の指導を行うことで、社会問題を改善しつつ、品質の高いコーヒーを生産して市場を生み出すことを目指しさまざまな活動を行っています。

コーヒーは、基本的に1杯1杯ハンドドリップ。酸味や雑味を出さないよう、決められた工程で丁寧に淹れていきます。

種類によって適切な量が異なるコーヒー豆をしっかりと量り、専用のミルで挽きます。
クリアな味にするために茶こしで余分な微粉を取り除いてフィルターに入れ、平らにならします。
お湯の温度はとても大事。適温に丁寧に調整します。やり直すこともあるけれど、暖かく見守って。
必要な湯量とタイミングを感覚で入れていく作業は、バリスタの腕の見せ所。コップに注いで完成!

豆はオリジナルブレンド。ミカフェートが取り組むCSRプロジェクトで収穫されたコーヒーもブレンドに使用されています。

使用されている豆は、

ドイトゥン産
タイのアヘン栽培で知られた北部の貧困層の生活向上のため、王室のプロジェクトで作られたコーヒー豆
フェダール農園産
コロンビアの障がい者運営のコーヒー農園で作られたコーヒー豆

実際に来社したコーヒー好きなお客様に飲んでいただくと・・・。

コーヒー好きだという社外のお客様も納得。話が弾みます。

オープンまでの道のりは試行錯誤の連続

どれも初めて触れる道具ばかり。一つひとつ丁寧に覚えていきます

オープンが決まりカフェエリアが完成したのが12月。直後から、特訓が始まりました。
スタッフは普段、ベルシステム24内の全国に発送する文具のリサイクルや清掃活動などを行っているメンバー。カフェでは、初めて触れる道具ばかり。

店長のワタナベさんに話を聞くと、練習を重ねるにつれて、スタッフの性格や得意なことなどもわかるようになってきたそうで、丁寧でわかりやすいオリジナルのマニュアルも用意して二人三脚で準備しました。

オリジナルのマニュアル。わかりやすいよう工夫されている

「豆をあらかじめ使う分量に分けてコンテナに入れておく」、「予約がいつ何人入っているかすぐ分かるようにする」など、彼らがなるべく自分たちで運用できるよう、試行錯誤しながら運用フローを作り上げていきました。

その日の予約がいつ何人分必要なのかすぐにわかるようになっている予約ボード

1月中旬。ミカフェートの最終チェック。果たして・・・?

店長のワタナベさん。祈るような気持ちで見守ります

1月中旬、ミカフェートによる、最終チェックが行われました。コーヒーハンター川島社長自ら、工程や味をチェックします。コーヒーをカップに注ぐまで、スタッフ2人だけでこなします。

工程を真剣な表情でチェックする川島社長

果たしてその結果は??

緊張の試飲後、川島社長の表情が和らぎ、一言、「うん、おいしい!」

スタッフと笑顔で握手し、緊迫した会場は一気にほっとした空気に包まれました。

川島社長からもお墨付きを頂きました

記者会見にはご両親もご招待

ご家族と一緒に

記者会見当日は、メインで担当してくれているスタッフ2名のご家族を招待しました。担当してくれるのは、スガノさんとタムラさん。報道機関に向けたデモンストレーションでは、約50人に囲まれていましたが、いつもとまったく変わらないパフォーマンスだった二人。

その仕事ぶりを家族も温かく見守っていました。

左からスガノさん、タムラさん。いつもよりキリリとして見えました

カフェができて1か月、表れた変化とは?

本社を訪れる他拠点のメンバーにも、研修のカリキュラムとして話しています

カフェがオープンして約1か月。来客対応のほか、拠点から研修で本社に来られる方にも広く知っていただくため、試飲を実施しています。先日は、社内でコーヒーのサンプリングを実施しました!

1か月経ち、どんな変化や反響はあったのでしょうか?

オープンの感想や反響などを店長のワタナベさん、ソレイユのヤスマさんにお聞きしました。

店長のワタナベさんとスガノさん、タムラさん。いつも笑いが絶えない
ナツママ

お二人はどんな人ですか?印象深いエピソードはありますか?

ワタナベ

スガノさんは羨ましいくらい器用で素直な方です。私よりスムーズにハンドドリップ覚えてたな・・・笑
ご自身で納得できる仕事ができたときや、完璧!と褒めると、よしっと囁いてくれるのがうれしいんですよね。

タムラさんは真面目でリーダーシップのとれる方です。よく二人で相談して率先して物事を進めてくれます。
マニュアルを渡したら、2時間後には、しわくちゃになるくらい読み込んでくれました。

ナツママ

特訓をしたり業務フローを考える際に気をつけたことはありますか?

ワタナベ

とにかく目で見てわかるように心がけました。色分けをしたり、マニュアルはすべての手順を写真撮影して作成しています。あとは、コミュニケーションのとり方も意識ししましたね。健常者のメンバーと差をつけずに、あえて同じように接しています。毎週月曜は週末何をしてたかを聞いて3人でおしゃべりします。
お二人の興味のある分野のお話しをすることで、コミュニケーションをスムーズにとれるようにしました。

社内での無料サンプリングの様子。たくさんの人と触れ合う機会が増えた

コーヒーの香りは職場を笑顔にしてくれますね
ナツママ

今後、どういったカフェを作っていきたいですか?

ワタナベ

今後の目標は2つあります。

1つ目はお二人が、ご家族やご友人にカフェでの仕事を自慢してくれるのが目標です。
そのために、楽しい!やりがいがある!働きやすい!と思えるような環境作りに貢献していきたいです。
2つ目は本社にお勤めの方や来社された方の憩いや癒しの場になればよいかな、と思います。

こちらに立ち寄ってもらい、いつも全力で一生懸命に頑張っているお二人を見て自分も頑張るぞ、と思っていただいたり、ちょっと仕事で疲れたからコーヒーでも飲みに行こうかな、とか。ほっとできて元気になる場所にしていくのが目標です。

ナツママ

2人(スタッフ)や周りに現れた変化、反響はありますか?

ワタナベ

そうですね~。もう2人にすべて任せられるんじゃないか、というくらいすべてのことを理解して働いてくれています。今では資料を見ずに、コーヒーを淹れられます!そして、はじめに比べて話しかけてくれるようになりました。お菓子をくれたり、テレビ番組の話をしてくれますね。

ヤスマ

2人は笑顔が多くなり、自発的な会話が多くなったと思います。
「今日はコーヒー何杯作った!」とか「うまく作れた!」「緊張した。。」なども話してくれるようになりました。
カフェ運営がはじまってから、ソレイユメンバー全体で会話が盛り上がっており、メンバーみんなで協力して業務を進めていこうという雰囲気ができあがってきてますね。


いかがでしたか?

ナツママが印象に残っているのは、記者会見の日、店長のワタナベさんがいつも断られていた、「ハイタッチ」にはじめてスガノさんが応えてくれたシーンです。うれしそうに、少し恥ずかしそうに、ハイタッチをしてくれたスガノさん。「はじめてしてくれた!」と嬉しそうに笑うワタナベさんとそれを楽しそうに見守る周りのメンバー、心温まる光景でした。

そばで見ているなかで、2人が今までより積極的に大きな声で社内であいさつをしたり、社員との交流を深めているのを見て、おいしいコーヒーには「人と人をつなぐ」パワーがあるのだな、と感じています。「おいしいコーヒー」であることももちろん重要なポイントですね。

ベルシステム24はこれからも、多様な人材が働き甲斐を持って長く安心して働ける環境作りにチャレンジしていきます。

<ニュースリリース>

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