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育休取得の新米パパが会社の子育て熱心な父親を応援する先輩社員と本音鼎談

男性が育休が取りづらい理由ベスト4から探る、「男性が育児と仕事を両立する」ために必要なこととは?

なぜ男性は育休を取りづらいのか?会社の風土?自身のやる気?本音で語っていただきました!

ロイレオ

こんにちは!はじめましてロイレオです。趣味らしい趣味がないのが悩み。毎日の晩酌が生き甲斐、吉田類になりたい、などと考えている私ですが、会社ではダイバーシティー活動のプロジェクトをまとめたり、社内外に伝える担当をしております。

私が働くベルシステム24では全国の32の拠点で、約3万人の社員が働いています。その中にはもちろん、育児・介護、はたまた俳優になりたい等の夢をもって勤務をしている方など、さまざまな背景の人がいます。

当社では、すべての人が、より働きやすく、そして働きがいのある仕事ができるように、制度の充実や、同じ境遇や志を持った方同士のネットワーキング活動などに、取り組んできました。

2017年ベルシステム24、総務省「テレワーク先駆者百選」認定
2018年2年連続テレワーク・デイズにも参画
女性が多く活躍する会社として厚生労働省認定資格「えるぼし」の3つ星獲得
大阪府男女いきいき・元気宣言事業者に認定
広島県仕事と家庭の両立支援企業に認定
work with Prideより「PRIDE指標2018」ブロンズを受賞

こうした活動を支えてきたのは、就業員の皆さんの「声」でした。何に困っているのか、どうなりたいのか、こういった「声」が会社を動かし、新しい取り組みへのきっかけを作ってきました。

環境が変化し、働き方も多様化するなか、もっと柔軟に、かつスピード感を持って多くの「声」に耳を傾ける必要があるのでではないか?ということで、さまざまな背景を持つ方のお話を聞き、職業観、もっと言うと人生観を持っているのか?聞いてみることにしました。

今回ジモタツでは、育児休業(以後、育休)を取得した男性に話を聞きました。なぜ育休を?実際経験してみてどう?などのほか、当社の子育て熱心な父親を応援する先輩社員2名との鼎談も実施しました。本音に迫ります!

育児休業を取った新米パパが登場

今回、話を聞かせていただくのは、1か月の育休を取得した新井さんです。人事部門に所属し、5月にご長男が生まれたばかりの新米パパ。当社では、フレックスやテレワークなど、多様な働き方を可能にする取り組みを進めていますが、まだまだ男性の育休取得率は低い。そんななか、育休を取られた新井さんにお休み中の様子や、取得してよかった点などを聞かせていただきました!

Q1:育休を取ろうと思ったきっかけは何だったんですか?

A:社会人になる前から、漠然と考えていました。子どもが生まれたら取りたいな、って。
あとは、前職の上司が「男性育休100%」を推進していたのでその影響もあると思います。

Q2:周囲の反応は?

A:妻と両親は、本当に喜んでくれました。妻の友人もみんな羨ましがっていたそうです。
会社の上司、同僚に話した時は、やはり周りにあまりいないので、最初は少し驚かれましたが、理解し温かく見守ってくれました。

Q3:育休中、一番大変だったことは?

A:仕事とは違って、こちらの予定通りに物事が進まないこと・・・。(泣)
よく言われていることですけど世の中の働いているママのみなさんは、改めてすごいなと思いました。

これまであまり家事をしてこなかった新井さん(本人談)が朝昼晩のご飯も作っていたそう。
これまであまり家事をしてこなかった新井さん(本人談)が朝昼晩のご飯も作っていたそう。

Q4:育休を取得してよかったことは?

A:妻から「育休を取ってくれて助かった。いてくれるだけで嬉しい。」と言われたことが一番です。
後はやはり、生まれたての我が子と一緒に過ごせる時間を持てたことですね。

Q5:復帰してからの仕事に変化は?

A:復帰後も、毎日子どもをお風呂に入れたいと思っていたので、フレックスを活用して、朝型の勤務スタイルに変更しました。毎朝、妻と子どもが見送ってくれるのですが「今日も一日頑張って早く帰ろう」と気合が入り、業務の効率もUPしたのではないかと感じています。

Q6:育休の経験を、今後の仕事にどのようにつなげていきたい?

A:自分の経験が、一つのモデルケースになれたらと思います。将来、出産を控えた男性部下がいたら、「育休取ってみたら」と言える上司になりたいなと思います。

子育て熱心な父親を応援する社員が本音で語る!
「男性が育児と仕事を両立する」ために必要なこととは?

今回はさらに、社内で子育て熱心な父親を応援する役員と部門長にも参加いただき、3名で鼎談を実施。なぜ男性は育休を取りづらいのか?会社の風土?自身のやる気?育児と仕事を両立するために何が必要なのか?自身の体験に加え、経営の視点をも交えて、お話しいただきました!

鼎談に参加してくれたのはこの3名

男性が育休を取りづらい理由!1位は「周囲に迷惑がかかる」

ロイレオ

じゃん!
いきなりですが、こちらのデータをご覧ください。男性社員の半分は「育休を取りたい」と答えました。が、昨年実際に育休を取得した方は、子どもが生まれた社員の中で約2割。まだまだ低い割合となっています。
太刀掛さんは、育休は取られたんですか?

太刀掛

取得してないです。当時の僕は “育休を取得したくない4割” 側でしたね。子供が生まれた時は、ほんと正直言って「何だろうこの物体は…」という感じ。

新井

え~。(笑)

太刀掛

いや、うちの場合は女の子なので、自分に何ができるかがピンとこなかったんだよね。ただ、娘と会話ができるようになった瞬間に『・・・娘のために何かしたい』と変わりましたよね。そこからは娘の幼稚園グッズを作ったりとかいろいろするようになって。今は育休の価値はあると思ってるし、次があったら、その時は取得した方がいいと思ってますね。

ロイレオ

そして、取りたい人は多いけど、取れていない、ということで、なぜ育休を取りづらいのか?と聞いた結果がこちらです。1位は「仕事の引き継ぎ先がない、周囲に迷惑がかかる」という結果になりました。

新井

1位は僕も同感です。やっぱりまだ上司側も経験がないし、実際に部下が取るとなっても、対応の仕方がわからないんじゃないか、という気がします。

ロイレオ

新井さんのときはどうしたんですか?

新井

僕の場合は、育休を取得する半年前から上司に伝えて、仕事を整理して引き継ぎました。仕事を整理することで、効率化やメンバーの成長にも繋がったと思うので、実はいい効果もあると思うんですけどね。

太刀掛

それはあるよね。もっと言うと、残業が減らせないというのもそうだけど、長期休暇や有給休暇が取れないとか、そういう可能性があるなら、仕事の設計を見直すことも検討した方がいい。

ロイレオ

たとえば病気や事故の場合は、否が応でもお休みしますよね。「育児」となるとハードルが上がってしまうんでしょうか?

水越

気持ち的な『引け目』だよね。開き直ったらいいじゃないっていう気もするんだけども。(笑)

新井

水越さんは現在も現場部門の責任者を務められてますが、ご自身も部全体でも、有給休暇や働き方の多様性について、いろいろ推進していますよね。

水越

うちは上の子が今年18歳になったけど、重度の知的障がいなので、介助が必要な状態です。下の子ができた時には妻だけでは到底やっていけないと思いました。なので、下の子が生まれた後は、育休自体は取得していないけれども似たような状況を作り上げていましたね。

ロイレオ

業務上、「会社にいないといけない」場合もありますよね?どう工夫したんですか?

水越

当時、転勤したばかりで1か月連続で休めるかというと、立場的に難しい状況でしたが、残業をなるべく抑える、在宅勤務を活用するなどして、家で家事や子育てすることを実現していました。もともと部下との交流を図る為に、よく家族ぐるみでホームパーティをやったりしたんですよね。そうすると、うちの環境が丸わかりになる。だから、メンバーはうちの環境って大変そうねと理解してくれて、できることは自分たちでやらないと、という雰囲気になってくれたんです。
家で子どものケアをしなきゃいけないことは、包み隠さず伝えているし、困っているときは助けてね、と言うようにしています。上司にも、自身の状況を伝え、理解してくれていましたね。

太刀掛

一概に言えない部分もあるけど、働いている以上、やらなければならないことは、やらなければいけない。それを工夫してこなしつつ、いかに自分の希望を認めてもらえるようにするのか、が重要なのだと思う。間接部門より現場部門の方が制約は多いと思うけど、「成果を出す」、「周囲に迷惑をかけない」という2つをクリアできれば、どんな職位・職種の人でも各自の工夫や裁量の中でできることはあるんじゃないかな。

水越

そうですね。僕の場合も、まず自分が率先して取ってましたし、自部門の上位レイヤーに伝えてるのが、まずは自分が取得しないとダメと伝えている。本当に必要なら、上司さえも使う(笑)。クライアントさんにもちゃんと言ったらいいと思う。そして各自業務にも一生懸命取り組む。ワークライフバランスを保ちながら最大のパフォーマンスを会社へ返していくという発想を多く育んで初めて、会社にとっても大きなプラス効果が出ると思いますね。

太刀掛

水越さんは、部下が逆の立場だったら、やってあげてもいいと思っているからこそ、自分が取るときも引け目がないんだと思うよね。

会社の風土、前例は自ら作っていくことも大切

ロイレオ

4位の会社の風土が醸成されていない、前例がないというのはどう思います?

太刀掛

う~ん、これねえ。本質的には「自分が変えていく」と思ってくれる人が増えないと、なかなか変わっていけないんじゃないかな。その時にはやっぱりパフォーマンスが大事で、復帰後にもそれなりの結果を見せる。そうすれば、会社側にもメリットがあるわけで、取得してもらった方がいいんじゃない?となっていくんじゃないかな。

水越

前例と言っても、まずはやってみないと分からないところはありますよね。自分以外のリソースをすべて活用して、自分をアウトプットしていく。そして覚悟をもって、成果を出していけるかどうかということが大切ですよね。

太刀掛

そう。僕たちは好きで育児やってるんだよね。やっぱり主体的に取ってくれないと、「育休取れって言われたから、取りましたけどずっと家にいました」では前例としてあまり意味がないわけだしね。

ロイレオ

風土、という意味では、こちらの資料、自分の職場内で育休を応援してくれているとは感じていない人が半数以上…という結果が出ています。

太刀掛

僕自身は育休に賛成です。経営視点で見ても、人材の確保は重要課題。ニーズがあるなら許容していくべきだし、新井さんも話していたけど、子どもが生まれて「この時間に絶対帰ろう」と思うと、絶対に生産性は上がるはずだよね。それは会社のメリットになるわけだし。

ロイレオ

皆さんは社内で、子育て熱心な父親を応援するネットワーキング活動もされてますよね。少なくてもそこのメンバーの皆さんは自分の同僚に対しても育休賛成派ということですよね。

社内のネットワーキング活動、「子育て熱心ダディの情報共有」チームの様子。
太刀掛

女性の場合はママ友、ってあるけど、男性はあまりないから、そういのはあった方がいいと思うよね。

水越

太刀掛さんとも、運動会や入園グッズ(裁縫)の話で盛り上がってましたよね。(笑)

新井

あとやっぱり、男性社員が「育休の仕組み自体を知らない」、というのもあると思うんですよね。男性は育休をめんどくさいと思っているのかもしれませんね。そこは僕の仕事でもあるので、頑張りたいですね。

太刀掛

そうだね。確かに、会社側も当事者側も歩み寄っていかないとうまくいかないよね。そもそも、男性のみなさんも、上司のみなさんも、育休のことあまり知らないでしょ、と。「まず知ろうよ」というのが第一段階だと思うよね。

最後に。「5年後のあなたはどうなっていたい?」

最後に、「5年後のあなたはどうなっていたいですか?」と質問。
ホワイトボードにそれぞれ書いていただきました。

太刀掛:娘からは距離をおかれ、果たすべき養育義務は果たしつつ、自分の時間が確保された生活を送っていたい。

新井:自分が上司となり、同僚・部下に、「男性の育児と仕事の両立」に対し、ニュートラルに受け止める風土を作りたい。

水越:オペレーションでも育児休暇が取れる環境づくり(をしていたい)


いかがでしたか?これまでは男性育休=家族想いといったイメージがありました。ですが、今回皆さんのリアルなお話を聞いてみて、強く感じたことがあります。それは、本人が強い意志を持って取得すれば、自身を高められる最高のチャンスになり得るということ。これは、新しい発見でした。

今回の結論。
当社の男性諸君!育休を取りたいと勇気をもって言ってみよう!

・男性の育休は会社にもメリットがある

男性が覚悟をもって育休を取得することで、得られることはたくさんあります。
育休を通してあなたが成長することは、あなた自身だけじゃなく、会社にとっても喜ばしいこと。

・ほんの少し勇気を出して、自ら声を上げて

残念ながら、会社や上司が子どもが産まれることを事前にキャッチアップするのは難しい。
だからこそ、まずはあなたから声をあげてほしい、と上司は思っているのではないでしょうか。
この時代、会社も上司も取引先も、思っているより男性の育休に理解がありますよ。

・育休は、助走期間と心得よ

人生100年と言われる時代。育休の期間なんて、生涯働く時間の中でほんのわずかです。
その助走があることで、その後の “仕事の濃さ” が違うとしたら。
最終的に、何十年か先の到達できる世界は別物のハズ。助走期間の遅れなんて十分取り返して、お釣りがきますよね。

これからパパになる皆さん、育休を取る、取らないは別として、一考の価値あり、じゃないでしょうか。
人生に何度とないチャンスを逃さないよう、まずは考えてみませんか?

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