マニア垂涎の新名所。全国でも珍しいレトロ自販機スポットに行ってきました
相模原に新たな名所が誕生。昔懐かしいレトロ自販機の世界にご案内します。
みなさん、お久しぶりです、ジモタツなかの人、ポロシャツです。気づけば夏も終わり、秋も終わりつつあります。今年の夏は雨が多く、趣味のロードバイクもちょっと控えめ(乗っていない)なまま終わってしまいました。
しかし、私ポロシャツにはロードバイクに乗ること以外にも趣味がありまして。それはYoutubeやニコニコ動画などでの「動画鑑賞」。数ある動画の中で数年前から気になっていたのが、うどん・そば、ラーメンなどの昭和に活躍した「レトロ自販機」を特集した動画。
見てみたいけれど関東近郊では北関東に点在していて、私の住まいからはちょっと遠い・・・。「いつか機会があれば」と思っていたこの夏、なんと相模原のレトロ自販機スポットの動画を発見。
「行ける!!!」ついに私の数年来(?)の夢であるレトロ自販機訪問がかなう時が来てしまった!屋外の蛍光灯の下で昭和の香り漂う自販機のそばを食べられる!
というわけで、早速出かけてきました。
シワシワのハンバーガーからボリューミーな天丼まで。
定番から珍タイプまでレトロ自販機が大集合
こちらをご覧ください。自販機です。自販機ですが、ハンバーガーが買えます。「うわ~懐かしい~」と思った方は年齢が●歳以上です。”60秒で焼けます”。ハンバーガーって「焼ける」ものなんだっけ?細かいことは気にしない。さっそく購入してみましょう。
ちゃんと出てきました。動いています。
「焼き」あがったハンバーガーには、明らかに電子レンジ加熱の跡と思わしき、「シワ」が。電子レンジでとてもしっとりと加熱され、もとい「焼き」あげたバンズに、ケチャップとチーズで味付けされたパティ。これでいいんです。これで正解なんです。これが懐かしいんです。
続いてはこちら。なんと天丼、カレー、かつ丼の自販機!
焼きおにぎりや、たこ焼きの自販機はサービスエリアなどで見かけたことがありますが、天丼はお初。しかも350円とお手ごろです。開封すると甘辛い天丼のたれの香りと、電子レンジ加熱されたお米の香り(?)が食欲をそそります。
自販機だからと見くびるなかれ。このエビの大きさにはびっくり。お味もgood!ふつうに美味しいです。自販機だからこれくらいだろう、というイメージより4倍は美味しい。
お供のスコールウォーターも気になった方、いますよね?(笑)
缶に入った炭酸の『愛のスコール』ではなく、紙パックのスコール「ウォーター」も購入できます。
ヨーグルッペ。昭和60年から販売されている乳酸菌飲料。ネーミングのキャッチ―さから、記憶に残っている方もいるのでは。販売当時はなかった、お洒落なマンゴー味も購入可能。
自販機に「明治ブリックパック」とあるのに中身が違うのは、こちらにあるレトロ自販機はすべて復刻し、中身もオーナーが揃えているから。ハンバーガーや珍しい天丼もオーナーの経営する飲食店で作るオリジナル。ここにはほかにも懐かしの瓶コーラ、うどん、そば、ラーメンなど、約30基が揃う、マニア垂涎の新名所なのです。
相模原の新名所!レトロ自販機が総勢30基以上。
「中古タイヤ市場 相模原店」とは
レトロ自販機があるのは、中古タイヤ市場相模原店。もともとレトロ自販機が好きで、趣味で集めていたというオーナー。タイヤ交換などで訪れたお客様の待ち時間用に「何かサービスできないだろうか」と思い、ご自身が好きだったレトロ自販機コーナーを作ったところ話題に。2017年の初夏に設置・稼働をはじめ、少しずつ台数を増やしながら現在の数まで増やしたんだとか。取材時は39基。
レトロ自販機は引き取られた際に動く状態のものはほとんどないそうで、オーナー自ら修理して設置しています。動かない状態なので、まずはお金を入れたあと、どういう仕組みで物が出てくるのかを調査。部品が足りなければ、部品そのものを作って修理するんだそう。
当然販売する商品についても、提供業者さんがいないものがほとんど。そのため、オーナーが経営している飲食店で手作りしたり、当時提供されていたものを忠実に再現するこだわりようです。商品の入れ替えもオーナー自ら行います。
そんなお店のもとには、さまざまなレトロ自販機が引き取られてきます。みるからに地方出身の自販機や、おそらくここでしか見られない貴重な自販機まで・・・。
オーナーもイチオシのチウインガム自販機。手前に向けて滑り台形式になっており、欲しいガムのボタンを押すと、後ろから押し出されて、滑り台を落ちて出てくるユニークな形。昭和35年製で、おそらく稼働しているのは全国でもここだけではないでしょうか。その他にも、N●Kの番組「●●時間」でブレイクしたレトロ自販機の定番であるうどんやそば、出来上がるまでポップなトウモロコシがやたらと「ええ声」で歌ってくれるポップコーン自販機、栓抜きが付いた瓶コーラ自販機などなど、珍しくて懐かしい自販機が勢ぞろいしています。
これだけの数のレトロ自販機が揃うのは全国でも珍しく、噂を聞きつけたマニアたちが遠方からも来るようになり、今や相模原の新名所。雑誌の相模原特集でも紹介されるほどの注目ぶりです。取材日は平日の昼間にも関わらず、たくさんの方が訪れていました。
ファンが自分で作ったメッセージノートがあり、訪れた人たちがメッセージを残していきます。今年から始めたにも関わらずノートは4冊目を突破。ページが少なくなると、同じファンの方が新しいノートを用意して置いていってくれるんだとか。ファンのレトロ自販機への愛を感じられます。
ポロシャツが独断で判定『レトロ自販機ランキング』
第3位「ハンバーガー」
この日、食べてみたかったあの自販機、この自販機と満喫した結果、数ある自販機を独断と偏見でランキングしてみました。
第3位はハンバーガー。このハンバーガーの箱、実は復刻されているんです。ポロシャツが子どものころ、コンビニで温めてもらったハンバーガーと同じ、しわっしわのバンズと電子レンジ加熱感満載のあっつあつにあの食感。懐かしくて嬉しい味。レトロ自販機の醍醐味です。
ここで注目しておくべきは「ニキシー菅」。レトロ自販機マニアの間では、“ニキシー菅が現役かどうかで自販機の価値が変わる”といわれるほど重要なポイント。1~9までの数字型に光る電管が手前から奥に向かって並んでおり、『焼き』あがるまでのカウントダウンをしてくれます。ぼんやりと赤く光るコイルの数字は、見慣れたデジタル式の文字盤よりも味があり、あたたかみを感じられます。
第2位「トーストサンド」
本格派手作りトーストサンド。懐かしい!という方も多いかも知れません。この自販機はトーストから包み紙に至るまで、製造業者がおらず、オーナーの熱い想いですべて復刻。トーストはオーナーが経営している飲食店で自ら製造し奇跡の復活を遂げたトーストなのです。つまりこれは自販機製と言うよりも、手作り感を感じられる美味しいトーストサンドです。
トーストサンドのアルミホイルはマニアの間では「純正」と呼ばれるデザインの非常にレアなホイル。「純正」復刻にこだわった社長がどれだけレトロ自販機に愛着があるのか、垣間見えます。
手作りの素朴な味わいもさることながら、オーナーが復刻したからこそ食べられる貴重さもかみしめながら食べるトーストは、レトロ自販機ならではの味です。
第1位「ラーメン」
レトロ自販機と言えば麺!これがなくっちゃはじまりません。レトロ自販機界では、『麺類に一番個性が出る』と言われます。その理由は納入業者さんがいないために、それぞれ工夫して手造りされるから。ここ、中古タイヤ市場相模原店のラーメンの個性は「味玉」。チャーシューメンを購入すると、数個に一個の割合で『当たり』で味玉が入っている!今回は残念ながら味玉はありませんでしたが、優しいしょうゆ味に、味のしみたチャーシューメンがなんと5枚。屋外で食べるのでやはり麺類は体の芯から温まります。とてもおいしかったです。
自販機の中でどんなふうに調理されているのか気になりますよね。あらかじめ、カップにセットされた麺と具に熱湯を注ぎ、蓋をかぶせて回転台に移動。遠心力で湯切りします。湯切りが終わったらスープを入れて取り出し口に送られ完成。回転するので、大抵麺が容器から飛び出ています。
ハンバーガーもホットサンドも…どれもこれも個性的で甲乙つけがたいのですが、やはりレトロ自販機の王道は、麺類だろう、ということで、ポロシャツの第1位はこちらのチャーシューメンとなりました!!
今回、数年来の夢であったレトロ自販機を存分に堪能でき大満足。オーナーのお話も昔懐かしい自販機にまつわる、暖かいお話でした。
時代の流れの中で、放っておいたら消えてしまうかもしれないもの、そこに息づくストーリーを大事につないでいく、そういう気持ちも大切にしたいと感じた取材となりました。
最後に、相模原にレトロ自販機スポットを作ってくれたオーナー、本当にありがとうございました!