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夏休み。本を真ん中にした親子コミュニケーションしてみませんか?

夏休みにぴったり!親子で一緒に読みたい、小学生にオススメの本 5選

夏休みは外遊びもいいですが、読書もオススメ。小学生のうちに、親子で読んでおきたい、オススメ書籍5選を紹介します!

ナツママ

こんにちは。ナツママです。ほとんどの小学校は待ちに待った夏休みに突入。プールや公園で、毎日遊びまわって日焼けしている子も多いのではないでしょうか?せっかくの夏休み、子どもも親も有意義なモノにしたいですよね。という訳で今回は、夏休みにぴったり!親子で一緒に読んでおきたい、小学生にオススメの本 5選を紹介します。

小学生までに読んでおきたい文学シリーズ
『おかしな話』『ともだちの話』『かなしい話』

おもしろい話、かなしい話、ともだちの話
おかしな話』『ともだちの話』『かなしい話
松田哲夫編 あすなろ書房

筑摩書房の書籍編集者として活躍する松田哲夫氏が、それぞれのカテゴリで選んだ名作を10巻にまとめたシリーズ。ナツママ家にはそのうち『おかしな話』『ともだちの話』『かなしい話』があります。

特筆すべきは、そのラインナップ。どのカテゴリーでも、甘くない話が盛り込まれています。たとえば『おかしな話』は、小学生向けの軽く笑える話なのかと思いきや、風刺の効いた宮沢賢治の『猫の事務所』からはじまり、子どもたちにとっては何が面白いのか首をかしげてしまうような話が入っています。また『ともだちの話』には、一生忘れられない後悔をした話など、大人同士でも「これってさー」とお酒を飲みながら語れるような作品が多く収められているのです。そのセレクトが素晴らしい!

まずは子どもと一緒に読んで、その面白さを一緒に話しあってみてもよし、「?」という気持ちを残したままでもよし。大人になってから、「あ、そういうことかあ。」とわかる、これも本のダイゴ味です。

子ども向けと思って買ったのに、イメージと違うな、という人もいるかも知れませんが、子どもが成長するまで大事にしておきたい一冊。中学生、高校生になってからもう一度読み返すと新たな発見があったり、「お母さん、何で小学生の時にもっとちゃんと解説してくれなかったの?」と怒られたりするかもしれません。

本の帯で西加奈子先生が書いている推薦文は「小学校の私のところに持っていきたい」。本当にわかる。私も小学生のころに戻って渡してあげたい。

大人になって改めて読んでも発見がある、オススメのシリーズです。

<収録作品>

おかしな話

宮沢賢治『猫の事務所』/ モーム『詩人』/ 桂三木助(演)『時そば』/ サローヤン『ハリー』/ 星新一『悪魔』/ グリム『ゾッとしたくて旅に出た若者の話』/ ペロー『猫の親方あるいは長靴をはいた猫』/ カポーティ『もてなし』/ L・ヒューズ『そんなこたないす』/ 芥川龍之介『酒虫』/ エーメ『壁抜け男』/ 中島らも『たたみ往生』/ 半村良『夢たまご』/ 豊島与志雄『手品師

ともだちの話

星新一『友だち』/ 国木田独歩『画の悲み』/ 魯迅『故郷』/ 菊池寛『納豆合戦』/ 中島らも『牛乳時代』/ ヘッセ『クジャクヤママユ』/ 吉行淳之介『子供の領分』/ ボルヒェルト『シシフシュ』/ 岡本かの子『みちのく』/ モルナール『ある小さな物語』/ コールドウェル『苺の季節』/ タゴール『ボライ』/ 中野重治『菊の花』/ V・ウルフ『堅固な対象

かなしい話

芥川龍之介『蜘蛛の糸』/ ブッツァーティ『天国からの脱落』/ ワイルド『幸せの王子』/ モーパッサン『ジュール伯父』/ 星新一『福の神』/ サローヤン『笑い虫のサム』/ S・アンダーソン『』/ アンデルセン『みにくいアヒルの子』/ マンスフィールド『少女』/ T・ウィリアムズ『ガラスの少女像』/ 永井龍男『胡桃割り』/ 小熊秀雄『ある手品師の話』/ ジャック・ロンドン『生命の法則

おいしい野菜の見分け方

おいしい野菜の見分け方
徳岡邦夫 / 西村和雄
バジリコ株式会社

全編フルカラーで、子どもにもわかりやすい写真付き解説があり、読みやすい。我が家では、しばらく買い物の際には必ず持参して、本を見ながら野菜の目利きに挑戦していました。ぶどうやみかんなど、果物の見分け方も載っています。

この本を参考にして選んだ野菜と、していない野菜を買ってみて、味を比較してみても面白いですね。子どもの野菜に対する興味が高まり、「ママ、あれ何の野菜?どういうのがいいの?」と聞いてくるようになりました。親もわからない場合が多く、一緒に勉強すると子どももきっと喜びますよ。葉ものの野菜は葉の色が薄い方がいいとか、本当に健康な野菜なら実をあまり虫に食われないとか、自分が信じていた「良い野菜」像がひっくり返るかもしれません。野菜嫌いの子が野菜とかかわるきっかけにもなるフィールドワーク向きの1冊です。

自分で決められる人になる!超訳 こども「アドラーの言葉」

超訳 アドラーのことば
自分で決められる人になる!超訳 こども「アドラーの言葉」
齋藤 孝
KADOKAWA

こちらも全編カラーで、言わずと知れた心理学者 アルフレッド・アドラーの言葉を、子どもが読めるように簡易な表現で超訳したもの。イラストも多く読みやすい構成です。

ドラマで聞くような真っ直ぐで熱いセリフは、親でも普段なかなか口にできないもの。たとえば「失敗を恐れる必要はない!失敗しても次に失敗しないようにすればいいんだ!」「自分に限界があると思うと成長できないぞ。」と面と向かって言う機会はなかなかないし、気恥ずかしかったり、親だからこそ響かないことも。
そんな時にこの本を一緒に読んでみてはいかがでしょうか。本の内容をきっかけに、自分の経験や考え方についても話せると思います。中学生くらいになると一緒に読んでくれないと思うので、小学校のうちに親子で本を開いてみたい1冊。

いみちぇん

いみちぇん
いみちぇん
あさば みゆき(作)/ 市井 あさ(絵)
角川つばさ文庫

この本を読んだ娘が「すいかって漢字どう書くか知ってる?」とクイズを出してきました。何とか答えられたものの、「じゃ、からすは?」と言われ降参。そう、この本の人気の秘密は、漢字を覚えられること。漢字を分解したり加えたりして、意味をチェンジさせる秘儀を持つ主人公の女の子と、その仲間たちの話なのです。「からす→いか」にチェンジさせたり。小学生にはちょっと難しい漢字も、読みやすいストーリーでサクサク入ってくるらしい。それに加え、親しみやすいイラストとキャラ設定で、小学生のハートをがっちり捕まえ、漢字を覚えさせる、という一石二鳥の設定で親のハートまでつかんでしまった本作品は大人気。現在9巻目。

作品内には、「ハンカチってなんて書く?」などのクイズが掲載されていたり、子どもは何度も見返すため、刷り込み効果もありそう。図書館になくて次も読みたいから買って!と言われると、買ってあげない理由が思いつかない、多方面で優秀な作品。

おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典

おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典
今泉 忠明 監修
高橋書店

「ダイオウホウズキイカ」の世界一大きい目は意外と役に立たない” など、動物・昆虫などのざんねんな部分を取り上げた変わった事典。それぞれのエピソードにざんねん度が設定されていて、大人が読んでも笑ってしまうものも多い。この本のいいところは、なぜ、そうなったのか、をそれぞれの生き物の生き方や環境から掘り下げて考えられるところ。一般的な事典で本の中に存在するだけの生き物たちが、急に身近に感じます。

各章が『ざんねんな体』『ざんねんな生き方』『ざんねんな能力』に分かれており、「ミジンコはピンチになると頭がとがる。しかし、ほとんど効果がない」「カメムシは自分のにおいがくさすぎて気絶する」「コアラはユーカリにふくまれる猛毒のせいで一日中寝ている」「モグラがトンネルを掘るスピードは、かたつむりが進む速さとほぼ同じ」など、タイトルだけ見ても「え?そうなの?」と気になってついページを開いてしまうものばかり。

それぞれの理由も詳しく書かれていて、親子で「へ~」と言いながら楽しめる。実家のおじいちゃん、おばあちゃんの前で発表すると、さらに盛り上がる、家族団らんツールとしてもおススメ。

いかがでしたか?親子で読書に取り組めるのも小学生のうち。長期の休みを活かして、ぜひ読んでみてください。

夏休みの読書

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