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アンテナショップ探検隊・10 兵庫編

最高級素麺や大吟醸酒まで、ハイクラス食材の宝庫!たこ焼きの元祖・明石焼き、絶品スイーツにも大満足

早いものでアンテナショップ探検隊ももう第10回。今回は東京交通会館の「兵庫わくわく館」に行ってきました!

なかのひと

探検隊がやって来たのは、ふたたび有楽町の東京交通会館。今回の目的地は、地下1階にある兵庫県の公式アンテナショップ、「兵庫わくわく館」です。

決して広くはない店内には、兵庫の美味いものがギッシリ! 店内だけでは収まりきれず、店頭にも特産品が山積みになっていました。どっちを向いてもおいしそうな商品や商品説明のPOPが目に飛び込んできて、楽しくなってきます。

法被姿がお似合いの店長、上山さんは兵庫県姫路市のご出身とか。地元出身のお客様がいらっしゃると、つい関西弁で会話が弾んでしまうそうです。

この「兵庫わくわく館」は、兵庫県としては初のアンテナショップとして2011年にオープン。それだけに地元の期待も大きく、上山さんは店長だけでなく「ひょうご観光大使」の役割も担っています。

兵庫県は近畿地方最大の面積を持ち、南北に長い県です。北は日本海、南は瀬戸内海に面しており、中央部を中国山地が横切っているため、海の幸も山の幸も豊富で、食の宝庫とも称されるほど極上の食材に恵まれているのだとか。

「兵庫はもともと摂津・丹波・但馬・播磨・淡路という五つの国から構成され、広い県なので地域によって風土にも習慣にも大きな違いがあるんですよ」と上山さん。関西弁も、それぞれの地域で微妙にニュアンスが異なるそうです。

そのせいか、特産品にも地域名がブランドとしてくっついているものが多い気がします。有名なところでは明石のタコ、丹波篠山の黒豆、播州手延素麺「揖保乃糸」、灘の日本酒、神戸牛など・・・もちろん兵庫わくわく館には、これら数々の兵庫グルメがラインナップされています。

本場の明石だこは足だけでも大迫力!

中でもいちばん有名なのは明石のタコ、いえ明石のタコを使った「明石焼き」ではないでしょうか。一見、たこ焼きのように見えますが似て非なるもの。歴史的にはたこ焼きよりも古く、江戸時代に誕生したと言われており、たこ焼きの元祖とも言われています。

「地元では玉子焼きと呼んでいるんですよ。その名の通り、生地に鶏卵をたっぷり使うのが特徴で、小麦粉にダシとじん粉(小麦由来の澱粉)を混ぜているのでとても柔らかい生地になるんです」と上山さんが教えてくれました。その柔らかく焼きあがった玉子焼きを出汁につけて食べるのが明石流。まな板のような、専用の台に乗って出てきます。

「明石ではファーストフードでもありソウルフードでもあります。残念ながら、銅製の特別な焼き鍋を使って職人さんが焼くスタイルなので家庭ではなかなか再現できませんね」。つまり明石焼きはお店で食べるものなんですね。明石市だけで70軒以上、明石焼きのお店があるのだそうです。

そう言われたら食べたくなるのが人情ですが・・・あれ?

「そうなんです。このお店にはイートインがないんですよ~」と、申し訳なさそうな上山さん。「本場の明石焼きを食べたいというお客様の声はしょっちゅういただくので、もうすこし大きな店舗に移転して、ぜひ実現したいですね!」とのことでした。それまでは冷凍の明石焼きをお土産にして待つことにしましょう。

たこ焼きならぬ「玉子焼き(明石焼き)」

タコと言えば、明石のタコを使った「たこせんべい」も名物。「明石ぺったん焼」は、人の顔より大きなサイズで食べ応え満点です。

タコを丸ごと使った「明石ぺったん焼」

そのすぐ下には、よく駄菓子屋で見かけた中高年にはなつかしい「鶯ボール」が。こちらのメーカーさんも兵庫の会社だったんですね。

昔なつかしい駄菓子「鶯ボール」
「鶯ボール」の中身はこんな感じ

この「鶯ボール」、どこかで見かけたことがある方も多いのでは? それもそのはず、なんと発売は昭和5年という超ロングセラーの米菓です。メーカーさんによると「もち米を原料に砂糖・食塩で甘辛く味付けしたかりんとう風あられ」とのこと。もち米に加えて小麦粉を使った部分がかりんとう風の甘じょっぱい味で、後を引きます。兵庫出身でなくても懐かしさから買って行かれる方も多いようで、売上トップ10にも入る人気商品なんだそうですよ。

さて兵庫と言えば神戸、神戸と言えば日本の西洋菓子の発祥の地ですよね。老舗の洋菓子店も数多く、お土産の定番となっているお菓子もたくさんあります。

中でも開店以来の人気商品は、魔女のマークでおなじみ「神戸モリーママ」のラスクなのだそうです。なんでも全国で一日1万枚売れるというから驚き。

それと同じくらい人気なのが、砂糖漬けにした淡路島特産の鳴門オレンジの皮をベルギー産チョコレートでくるんだ「あわじオレンジスティック」。こちらは全国菓子博覧会で最高賞を受賞したお墨付き。上山さんによると、これを女子にプレゼントすれば喜んでもらえること間違いなしの「モテ菓子」だそうです(笑)。

一日に1万枚売れるというモリーママのラスク
全国菓子博最高賞の「あわじオレンジスティック」

上山さんのご出身、姫路市の「カフェ・ド・ムッシュ」というお店から始まったアーモンドトーストは観光客にも人気となり、今では姫路のご当地グルメとして有名になりました。その「カフェ・ド・ムッシュ」の自家製アーモンドバターが兵庫わくわく館で手に入ります。テレビ番組等でも紹介され、徐々に全国区で注目され始めているのだとか。パンに塗って焼くだけで、香ばしいアーモンドトーストがいつでも楽しめちゃいます。

姫路名物・アーモンドバターを手にした上山さん

甘いものの話題が続いたので、ちょっと辛口のお話を。

水と米に恵まれた日本には、全国各地に酒どころがあります。中でも、日本酒の生産量でダントツのトップが兵庫県。その要因はいろいろありますが、酒造に最適な「酒米」として名高い「山田錦」を生み出したのが兵庫県だったという点も大きいでしょう。気候風土が米作りに適しているため、今でも兵庫県産の山田錦が大半を占めているそうです。この山田錦、吟醸酒には欠かせない米とされており、この米を使った銘酒が兵庫わくわく館にも多数置いてあります。

兵庫の酒どころと言えば灘が有名ですが、ここは上山店長のご出身地である姫路市の酒蔵・龍力の大吟醸「米のささやき」をお勧めしておきましょう。東京ではあまり手に入らない銘柄とのことですよ。

吟醸酒のお供には、兵庫の名産品「いかなごのくぎ煮」はいかがでしょう。もちろん、ご飯の友としても止まらない美味しさです。

大吟醸龍力「米のささやき」など銘酒の数々
名物「いかなごのくぎ煮」

さて、そんなお話を伺っているそばで、「揖保乃糸」を買いに来られたお客様がいらっしゃいました。高級そうめんの代名詞、揖保乃糸・・・じつは特定メーカーの製品名ではなくて、播州地区を中心とする兵庫県手延素麺協同組合が生産する手延素麺の商標なんです。播州地区でのそうめん作りの歴史は室町時代にさかのぼるそうで、歴史と伝統に裏打ちされた一級品なのですね。

「赤帯じゃなくて、黒帯がいいんだけど・・・」とお客様の声。はい、黒帯というのは揖保乃糸の中でも熟練の職人だけが製造を許される特級品で、生産量が限られるため東京ではあまりお目にかかりません。そんな限定品も、兵庫わくわく館にはしっかりキープされています。指名買いされるお客様には嬉しいですね。

最高級素麺「揖保乃糸」黒帯

こうしてみると兵庫県の食品にはブランド食材が多く、なんだかセレブな感じがします。なので最後に身近なインスタントラーメンをご紹介しましょう。

関西では有名な「イトメンのチャンポンめん」は、関東ではほとんど知られていません。というか置いてあるお店がほとんどありません。

じつはこのラーメン、発売から半世紀以上という超ロングセラー商品。メーカーのイトメンは揖保乃糸と同じ播州地区にあって「日本で二番目に袋めん・カップめんを作った会社」なのだそうです。なのに知名度がない・・・ということで、そんなイトメンを応援するキャンペーンを実施中!

http://www.itomen.com/omoshiro/

関西ではおなじみ「イトメンのチャンポンめん」

気になってきた方はぜひ、兵庫わくわく館で実物を手に取ってみてください。

探検隊も自分用にしっかり買って帰りました(笑)。

高級そうめんからインスタントラーメンまで・・・う~ん、兵庫県は面積も広いけど奥も深い!と納得した今回の取材なのでした。

兵庫県のマスコット「はばタン」と姫路市のゆるキャラ「しろまるひめ」

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