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アンテナショップ探検隊・11 せとうち旬彩館編

1ヵ所で、香川と愛媛の名産品やお料理が楽しめる! みかんをおかずに? 瀬戸内の個性派食材にも注目!

今回のアンテナショップ探検隊は四国に上陸! 瀬戸内の二県が共同で運営する「せとうち旬彩館」をご紹介します。

なかのひと

今回ご紹介するアンテナショップはとてもユニーク。単県ではなく香川県と愛媛県の2県が共同で運営する、「香川・愛媛せとうち旬彩館」に行ってきました!

場所はサラリーマンの街として知られる新橋。駅前にほど近いビルの1・2階を占める好立地です。銀座も目の前とあって、週末はファミリー層や観光客も多い場所柄、数あるアンテナショップの中でも売上ランキング上位に入るという人気店なのだとか。オープンした2003年当時、2県共同でのアンテナショップは全国初だったそうです。2つの県の名産やお食事が1ヵ所で楽しめるなんて、なんだかトクした気分になりますよね。香川県東京事務所東京観光物産センターの山田所長と、愛媛県東京事務所えひめ観光物産プラザの石丸課長にお話を伺いました。

どうして2県合同での出店になったのですか?

「もともと四国4県で首都圏向けに情報発信をしようという話から始まったんですよ。話が進んで実際にアンテナショップを出店することになり、最終的に同じ瀬戸内でお隣同士の香川と愛媛がパートナーとして運営にあたることになったんです」と山田さん。地理的にも気候風土が共通してますもんね。

「瀬戸内と言えば温暖な気候と海の幸。とは言え、お互いにアピールポイントは微妙に違うんでけどね」と石丸さん。

香川県は近年、「うどん県」として有名。そういう意味では愛媛県は「みかん県」でしょうか。人気のゆるキャラも、香川は「うどん脳」で愛媛は「みきゃん」ですからねえ~。

「うどん脳」と「みきゃん」を手にした店長の齋藤さん

売れ筋の商品も香川県と愛媛県ではっきり分かれていて、意外にそれぞれのカラーが出ているようです。

「香川県は、やはり讃岐うどんが強いですね。関連して、だし醤油もよく出ます」と山田さん。関東でもポピュラーになってきたとはいえ、本場の生うどんはなかなか手に入りません。「せとうち旬彩館」では常時、うどんだけで70種類ほどを販売しているそうです。小分けタイプもあって便利ですね。

これ、ぜ~んぶ讃岐うどんです

うどん文化の一環として、香川県には伝統的な醤油メーカーも多く、醤油の生産量は全国でもトップクラスとか。「せとうち旬彩館」の売場にも醤油コーナーがあるほど種類も豊富で、とくに「だし醤油」お目当てで来店されるお客様が多いようです。讃岐うどんには欠かせない調味料なんですね。

バラエティ豊かな醤油コーナー
用途別にさまざまな醤油が揃っています

ちょっと意外なところでは「芋けんぴ」が定番の人気商品だとか。

「この芋けんぴには、希少糖シロップが使われているんですよ。希少糖というのは自然界にわずかしか存在しない糖類なのですが、香川大学農学部の研究グループが世界初の大量生産技術を開発し、今では希少糖関連製品が香川県の名産として知られるようになりました」と山田さん。砂糖に近い甘さがありながらほぼノンカロリーで健康に役立つ「夢の甘味料」なんだそうです。へえ~、興味シンシン。

希少糖を使った芋けんぴ

お菓子コーナーを見ていると、なんだかとってもカラフルでかわいらしいお菓子に目が留まりました。「おいり」という伝統菓子なのだそうで、香川県では「嫁入り菓子」として披露宴の引き出物に使われたり、お嫁入りの際にご近所に配られたりするのだとか。

お嫁入りには欠かせない「おいり」

オリーブの島として有名な小豆島を抱える香川県は、オリーブ製品の産地としても日本一。何しろ国産オリーブの90%以上が小豆島産なんです。中でも最近の注目は・・・食べるラー油ならぬ「食べるオリーブオイル」。瀬戸内海産のちりめんじゃこを焙煎してカリカリに仕上げ、タマネギ、生姜などの素材とオリーブオイルに漬け込んだもので、そのままおつまみとして食べてもご飯の友としても、さらにパスタや炒飯に使っても・・・とレシピはさまざま。

話題の「食べるオリーブオイル」
話題の「食べるオリーブオイル」

やはり香川県と言えば、うどんとオリーブ、でしょうか。

対して、愛媛県の売れ筋商品は・・・?

「コンスタントに人気があるのはお徳用ちりめんですね。文字通り、このボリュームでワンコインのお値段ですから、リピーターとしていつも買って行かれるお客様もいらっしゃいます」と石丸さん。

「お徳用ちりめん」はこのボリュームで税抜500円

愛媛は柑橘だけでなく鯛や小魚も名産で、瀬戸内の小魚を骨ごとすりつぶしたすり身で作る「じゃこ天」はソウルフードと言えるでしょう。「せとうち旬彩館」でも大人気のようで、伺ったときは売り切れ寸前でした。

人気の「じゃこ天」は品薄状態でした

愛媛の旬の柑橘が年中楽しめるのがいちばんのお勧めポイントですが、柑橘を使った加工食品も数々ラインナップされていて、石丸さんのイチ押しは「みかんですよ」(笑)。なんと、みかんをおかずにしてしまった一品です。愛媛の柑橘を調味料ではなくおかずとして独立させるべく、愛媛大学との共同開発で商品化したのだとか。「ごはんとの相性は抜群」だそうです。

みかんをお惣菜にしてしまった「みかんですよ」

さて、どこのアンテナショップにもユニークな「ご当地サイダー」が置いてあるのが最近の傾向ですが、「せとうち旬彩館」にももちろん、ありました。香川からは、なんと小豆島の「醤油サイダー」に「オリーブサイダー」。「オリーブコーラ」もあるので、飲み比べしてみては?

柑橘を使ったジュース類も充実しています。「みかんサイダー」はどちらかというとオーソドックスな感じがしますが、「いよかんコーヒー」となると、ちょっと味の想像力が追いつきませんね(笑)。

「醤油サイダー」にオリーブサイダー、オリーブコーラ
みかんサイダーと、謎の「いよかんコーヒー」

1階のイベントコーナーでは香川県と愛媛県が交互にイベントを行っていて、週替わりでクローズアップされる商品が入れ替わります。行くたびに店頭の雰囲気が違うのもリピーターを惹きつける理由のひとつなのでしょう。

両県の名産品が一堂に並ぶだけでなく、隠れた逸品の紹介やコラボ企画も定期的に行われています。同じジャンルの商品を集めての「硬いお菓子対決」や「お芋のお菓子対決」といった香川vs愛媛の対決企画などで、2県共同運営ならではの楽しさを演出しているんですね。

「今月のかくれた逸品」コーナー

2階には観光交流コーナーとレストラン「郷土・せとうち料理かおりひめ」があり、平日は近くのサラリーマンやOLさん、主婦層にも人気です。ここでも2県共同のメリットを発揮して、メニューは香川県名物の讃岐うどん+愛媛県名物の鯛めしのコラボセットなど、両県の名物がワンプレートで味わえるセットメニューが最大の魅力。もちろん味は本場顔負けの本格派です。

「讃岐うどんはやはり地元で食べないと、という声もありますが、ウチのうどんはかなり頑張ってると思いますよ」とは山田さん評。夜の部は、じゃこ天をはじめ瀬戸内海産の新鮮な刺身盛り合わせなどの居酒屋メニュー、「オリーブ牛」のステーキなどのディナーメニューも加わりパワーアップ。

瀬戸大橋で、本州からも気軽に訪ねることができる四国の窓口が香川県と愛媛県。瀬戸内を旅するなら、香川では讃岐うどんの食べ歩き、愛媛では鯛めしの食べ比べにぜひチャレンジしてほしい、とお二人に教わりました。「世界の宝石」と称される美しい海と島や山並に、すぐにでも会いに行きたくなった今回の取材でした。

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