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アンテナショップ探検隊・5 広島編

定番のお好み焼きはもちろん、スイーツも激辛も◎。リニューアルで店内は「来てみんさい」パワー全開!

アンテナショップ探検隊、第5回は広島の魅力がギュッと詰まった「ひろしまブランドショップTAU」を訪ねました!

なかのひと

東京・銀座といえば、世界的な超高級ブランドが軒を連ねるブランドストリート。じつは各地のアンテナショップが集中するお国自慢エリアでもあります。そんな銀座に5年前、堂々オープンしたのが「ひろしまブランドショップTAU」。あえて「ブランドショップ」と名付けるあたり、力の入り具合が伝わってきます。このほど、5周年に合わせて館内を全面リニューアル。さらにパワーアップして改装オープンしたばかりのショップにお邪魔してきました。

このあたりにアンテナショップは数あれど、これだけ立派な店構えのショップも珍しいのではないでしょうか。銀座柳通りの一角にドーンとそびえる茶色の大理石のビル。そのビルの地下1階から地上3階まで、4フロアを占めるというロケーションです。なんでも銀座エリアでは北海道のアンテナショップと1、2を争う賑わいだとか。昨年、広島カープが25年ぶりのリーグ優勝を東京ドームで決めた際には、人が集まりすぎて入場制限をしたほどだったそうですよ。

広島カープの応援グッズを手にした松村さん

その広島カープをはじめ、なんだか「広島」ってあちこちで目立っていませんか? 広島出身の有名人も多いし、何と言っても広島弁のインパクト!「ええとこじゃけん、来てみんさい」と言われると不思議な説得力が…。広島発で全国区の人気となったお好み焼きなど、広島の食や文化を目にする機会が妙に多い気がします。

もちろんお土産用のお好み焼きも充実

今回ご案内いただいた広島出身の松村さんに、そのあたりもお聞きしてみました。

「数年前、おしい!広島県というキャンペーンがありましたが、あれが最近トレンドの自治体の自虐キャンペーンのはしりだったと思います。何につけ、広島の人はジモト愛をストレートに出して、周囲を巻き込んでしまうといった傾向はあるかもしれませんね」とのこと。そうそう、巻き込まれちゃう(笑)。

ところで店名の「TAU」ってどういう意味かわかりますか? これ、広島弁で「手が届く」という意味の「たう」から来ているのだそう。出た出た、広島弁(笑)。広島カルチャーや広島グルメを「届けたい」との思いが込められています。

広島レモンの香りが迎えてくれる店内

今回の改装では、女性客を意識してリニューアル前よりも全体に店内を明るくしたのだそうで、清潔感漂う白い内装はおしゃれなカフェを思わせます。しかも店内に入った途端に鼻をくすぐる柑橘系の香り……いや、香りだけでなく1階の売場には広島レモンやオレンジ、はっさくなどのフルーツがマルシェのような木箱に盛られていて、店内を歩くだけで気持ちが明るくなってきます。広島のレモン生産量は国産レモンの6割超を占めるのだとか。減農薬または無農薬で防腐剤やワックスを使用せず皮ごと食べられることから近年、瀬戸内レモンとして人気を集めていますよね。1階にはフルーツと並んで、瀬戸内レモンを使ったレモンケーキなどさまざまなスイーツが置いてあるのですが……ん? ばら売り?

もみじ饅頭もレモンケーキも1個から買えます

「そうなんです。当初、おみやげ品のように箱売りしていたのですがさっぱり売れなくて、バラして1個から買えるようにしたところ急に売れるようになったので(笑)。ここには単価1000円以上のものはほとんどありませんよ」と松村さん。あれもこれも食べたい、という女性のハートを掴んじゃったんですね!

有名なもみじ饅頭にもいろいろな味のバリエーションがあり、メーカーによっても味の個性があるのだそうです。最近は「生もみじ」が人気とか。この店の全商品の中でも断トツの一番人気という「はっさく大福」は……残念ながら売り切れでした(泣)。はっさくの甘酸っぱさが大福の甘さと絶妙にマッチしてるらしい。これはぜひ、リベンジせねば! 多いときは月間1万個も売れる人気商品です。

こちらが噂の大ヒット商品「はっさく大福」
広島産のふりかけ「ゆかり」がペンタイプの携帯用に

1階の奥には、お土産用のお好み焼きや広島風つけ麺、海産物などの珍味もたくさん並んでいます。海産物といえばもちろん名産の牡蠣も……あれ? その奥にあるのは鮮魚コーナー? なんと銀座の真ん中で、瀬戸内直送のお魚が買えるなんて~! もちろんお願いすればお刺身にもしてもらえます。「今回のリニューアルで新たに設けたコーナーなんです。広島県知事たってのご希望で」と松村さん。

広島に限らず瀬戸内地方は、基本的に目の前は海、背後は山という地形なので、海の幸にも山の幸にも恵まれているんですね。気候も温暖で日本の地中海みたいな感じ? 聞いているだけで、いかにも住みやすそうな感じが伝わってきます。

アンテナショップには珍しい鮮魚コーナーも

続いて松村さんの案内で2階へ。左手にはお酒の売場と利き酒もできる「広島酒工房」があり、酒屋さん顔負けの300種類以上のお酒が並んでいます。ちょっと意外ですが広島には50以上の蔵元があり、中でも灘や伏見と並び称される「西条」という酒どころが有名なのだそうです。女性にも飲みやすそうなレモン酒、みかん酒、そしてカープにちなんだお酒もありますが、探検隊がくぎ付けになったのは「もみじ饅頭のお酒」! チョコレート味、抹茶味、こしあん味〜!? 何それ~(笑)! なんでも、もみじ饅頭の味を忠実に再現しており、牛乳で割るとスイーツ風のカクテルになっておいしいんだとか。味見できなくてザンネン。

一度は味わってみたい、もみじ饅頭のお酒

ふと右手を見ると、あたり一面の赤、赤、赤……。はい、こちらは言わずと知れたカープグッズのコーナーでした。その充実ぶりは都内では圧倒的なので、昨年のリーグ優勝時はファンが押し寄せてほとんどパニックのような賑わいだったそうです。松村さんいわく、「広島県人=カープファン」というのは例外のない(笑)常識なんだとか。そういえばプロ野球の応援に若い女性が目立つようになったのも、ちょっと前の「カープ女子」がはしりだったような……広島って、なにげにトンガった文化の発信が多い土地柄なのかも?

都内随一の品ぞろえを誇る広島カープグッズの数々

カープグッズコーナーの左手が観光情報コーナー。その奥には、日本の筆の生産シェア8割と言われる「熊野筆」のセレクトショップもあります。うーん、広島文化は幅が広くて奥も深い……。

あ、忘れちゃいけないイートインコーナーのご紹介。2階のカープグッズコーナーのお隣には定番、「広島お好み焼き」。広島人のソウルフードのみならず、今では全国的にリピーター続出中のB級グルメですね。ちなみに1階にはカフェ併設の「汁なし担担麺」コーナーがあります。一時、広島名物と言えばピリ辛の「つけ麺」でしたが、現在のブームはこちら。なぜか辛いものが流行るみたい…。

辛さのレベルが選べる「汁なし担担麺」は最近のブーム

ほかにも、3階には瀬戸内の食材を使ったイタリアンのレストランがあり、イベントスペースとしても使われているそうです。さらに地下1階は瀬戸内ダイニング(創作和食レストラン)となっており、何を食べようか迷うほどの飲食コーナーの充実ぶり。それだけ、食材に恵まれたエリアということなのでしょう。

松村さんのお話の端々にも、やはり広島人らしい「ジモト愛」がたっぷり感じられました。海の青と、山の緑と、太陽と。人が温かくて食べ物がおいしくて。いいなあ、広島。今回もまた、絶対に地元に行って魅力を満喫してくるけんね~!と、行き先リストが増えるばかりの探検隊なのでした。

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