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【ポッドキャスト】「名言いかがですか? ~笑って学ぶ神ことば~」

第53回 「90年代の名作ドラマの名言特集」

今日から使える「名言」をクイズ形式で学ぼう!第53回目 ~言語学的に気になる!あの名台詞の面白さとは!?~

なかのひと

歴史上の偉人、現代を生きる著名人が語った数々の名言を、 クイズ方式で笑って学ぶポッドキャスト番組、「名言いかがですか? ~笑って学ぶ神ことば~」

コールセンターに届いた、つい吹き出しちゃう謎名言、思わずホロっとくる泣き名言も、速報が入り次第ご紹介していきます!

お相手は、松竹芸能所属のお笑いコンビ、コーヒールンバの平岡佐智男と西原朗演でお送りします。

今日学んだ名言をきっかけに、明日、誰かとの会話がはずんだら嬉しいです!

平岡

さぁ、始まりました。「名言いかがですか?~笑って学ぶ~神ことば~」ということで、西原さん!先週に引き続きゲストの方をお迎えしています!言語学者の川添愛(かわぞえ・あい)さんです!よろしくお願いいたします!

川添

川添です。よろしくお願いします。

西原

よろしくお願いします。

平岡

川添さん2週目という事で、今週もよろしくお願いします。今日も新たな発見がいろいろあるかもしれない。

西原

また一つ賢くなりますね。

平岡

聴いている皆さんも、先週の放送で、すごい興味持ってくださったんじゃないですか?僕らも面白かったですよね。

西原

面白かった。

平岡

あらためてご紹介しますと、長崎県のご出身である川添さんは、国立情報学研究所 社会共有知(きょうゆうち)研究センター特任准(じゅん)教授を務められたあと、現在は言語学や情報科学の専門家としての知識をいかし、作家としても活躍されています。このあとそんな川添さんチョイスの名言や、言語学にまつわるお話も伺いますよ。どうぞお楽しみに!

それでは早速、今回の名言なんですが…「90年代ドラマの名言特集!」をテーマに川添さんが“言語学”の視点から「これは面白い」と思う名言をまずはいつものようにクイズ形式でご紹介してみたいと思います!「90年代のドラマ名言特集」という事で、有名なドラマが出てくるかもしれませんね。

「90年代の名作ドラマの名言特集!」

平岡

1つめのドラマは、こちら!

「愛していると言ってくれ」

1995年に放送されたこちらのドラマは、豊川悦司(とよかわ・えつし)さん演じる聴覚に障害を持つ画家と、常盤貴子(ときわ・たかこ)さん演じる女優の卵の間に繰り広げられるラブストーリー。第33回ギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞するなど、大ヒットとなりました。そんなドラマの中で常盤貴子さん演じるヒロインの紘子(ひろこ)が語った名言からの問題です!

「◯◯考えちゃうの。あの人のこと、◯◯考えちゃうの」

平岡

さてこの〇〇の部分では、なんと言ったのでしょうか?西原さんお考え下さい!

西原

これは、同じ言葉が2つ入るってことですかね?

平岡

大ヒントですよ?同じ言葉が入ります!

西原

なるほど。文章の組み合わせから考えて、これじゃないの?っていうのは出ましたね。

平岡

出ましたか。それでは西原さんお答えどうぞ!

西原

「口座に、あと1000円しか入ってないって言ってたから、今月家賃払えたのか考えちゃうの。あの人のこと、口座に、あと1000円しか入ってないって言ってたから、今月家賃払えたのか考えちゃうの」

平岡

西原さんありがとうございます。ちょっと答えが長かったですけどね。

西原

やっぱり、ドラマがインパクトを出すための構造ですね。

平岡

分かりました。それでは川添さんお答えお願いします!

川添

答えは…「ばっかり考えちゃうの。あの人のこと、ばっかり考えちゃうの」

平岡

おお~!という事で、西原さん残念、不正解でございます。これ、凄いセリフですね。「ばっかり考えちゃうの。あの人のこと、ばっかり考えちゃうの」。

川添

これ、絶対わかんないですよね 笑

西原

私の回答と、真反対の文字数ですね。

平岡

そうですね。凄いインパクトがありますけども、川添さん解説をお願いしてもよろしいでしょうか。

川添

最初の「ばっかり考えちゃうの」の「ばっかり」がすごい面白いと思っていて、「ばっかり」って普通は、他の言葉と一緒に出てこなければいけない言葉ですよね。言葉の中にはほかの言葉とセットで使うものと、独立して使うものがあるんですけども、この場合、本来は後の文の、「あの人の事ばっかり考えちゃうの」という風に、最初の文でも言わなきゃいけないはずなのに、「ばっかり」から始まるんですよ。なので、いきなり「ばっかり」が出てくる程、ヒロインの想いが強いのかなって、言葉の本来の使い方を、逸脱してしまう程の想いが表されているんじゃないかと思います。

平岡

ヒロインのキャラクターも加味して、こういう言葉遣いにしているのかもしれない。女優の卵さんという設定なので、粋な若者言葉っぽい感じもしますね。「ばっかり考えちゃうの」。という事なんですよ、西原さん。

西原

いや~、「ばっかり」考えちゃいましたね。

平岡

考えてないから不正解なんですよ!でも、素晴らしいですね。思いがけぬ名言が飛び出しました。

西原

勉強になりましたね。

平岡

しかも、名言でもありますよね。「ばっかり考えちゃうの」って、すっごい想いが溢れてますよね。これだから、90年代ドラマは良いんですよ。 

西原

恐れ入りました。

川添

平岡

ありがとうございます!それでは2つめのドラマはこちら!

「101回目のプロポーズ」

1991年に放送されたこちらのドラマは、浅野温子(あさの・あつこ)さん演じる結婚式当日に婚約者を事故で亡くした女性と、武田鉄矢(たけだ・てつや)さん演じる、99回のお見合いに失敗した冴えないサラリーマンのラブストーリー。川添さん、こちらの作品ご覧になられましたか?

川添

観てましたね。

平岡

観てましたか。有名なシーンもたくさんありますけども、世代的に西原さんは見てましたか?

西原

見てたはずです。所々覚えているんですけど、全部となるとボヤ~っとしますね。

平岡

確かに、みんなどこかしらかで観てますよね?という名作ドラマでございます。このドラマに登場する名言といえば、もう、クイズにするまでもございません・・・。西原さん、お願いします!

西原

「僕は死にましぇん!」

平岡

笑 「しぇん!」って言いましたけども、有名なシーンですよね。川添さんがこの名言を「面白い!」と思われた理由をお答えください!!

川添

「僕は死にません」の「は」が面白いなと思ってて、この「は」は、二重の意味で使われているんじゃないかと、深読みしているんですよ。「は」っていうのは、二つ意味があることで知られていて、例えば、「今日は、日曜日だ」という時は、シンプルに主語を述べるのに使われている。それに対して、「紅茶は飲めないけど、コーヒーは飲める」みたいな時は、『対比』、つまり比べるのに使われているんですね。「僕は死にません」の場合は、単に「死にません」の主語が「僕」を表しているという解釈もできるし、同時に、浅野温子さんに「あなたの婚約者は亡くなったけど、“僕“は”死にません」という、前の婚約者と比べるみたいな解釈もできて、すごくシンプルなんですが、主人公の武田鉄矢さんの想いを効果的に伝えていて、面白いなと思いました。

平岡

全く考えたことなかった!「僕は死にません」ってそういう事か。婚約者との対比になっているんだ。

西原

深いですね。

平岡

だから、名作ドラマなんですよ。短い言葉に意味合いを込めているから、人に訴える何かがあるんでしょうね。いろんな解釈ができるってところも深みになってるというか、何か刻まれているんですね。

西原

「僕は死にません」これは、心に刻まれました。

平岡

「は」の使い方一つで、こんなに違ってくるなんて、日本語の面白いところですね。

西原

ドラマの制作サイドはそこまで考えているんですかね?

平岡

脚本家さんだったら、一文字に感情込めるんじゃない?

川添

それはあると思います。

平岡

普段から川添さんはドラマを見ていて、「おやおや?」と思うんですか?

川添

そうですね。言語学的に面白いなっての言うフレーズが出てきたら、メモしたりします。

平岡

へ~!「あれ?」って思う事、結構いっぱいありそうだから大変ですね!

川添

結構、あります 笑

平岡

結構ありますか。CMのキャッチフレーズとかも含めるとあるから大変でしょうね。そういうのも気になるのが言語学でもあるということで。

西原

我々も気になるフレーズがあったらメモっていきましょう。

平岡

そうですね!後半は引き続き川添さんにお付き合いいただき、言葉にまつわる素朴な質問にお答えいただきましょう!よろしくお願いします!

教えて!川添先生!

西原

コールセンター業界のリーディングカンパニー、ベルシステム24がお送りしている「名言いかがですか? ~笑って学ぶ神ことば~」。今日はゲストに言語学者・川添愛さんをゲストにお迎えしコールセンターになくてはならない“言葉”をキーワードにいろいろ伺っていきたいと思います!

平岡

今回は、コールセンターで働く方から、質問が届いています。

Q.正確に論理的に説明しても、理解してもらえない時があります。言葉を変えたり例を示したりして説明をしているものの、なかなか効果が出ないことも多く、現在進行形で苦労しています。何かアドバイスはありますか?

これは、難しいですね。新人の方に伝えているのかもしれないし、正確に、論理的に伝えても理解してもらえない、例を出しても伝わりにくいとのことなんですが・・・。

西原

職場だったらめちゃくちゃ多いお悩みなんじゃないでしょうか?

平岡

川添さん、「何かアドバイスありますか?」とのことなんですがいかがでしょうか?

川添

難しいですよね。私もできるなら答えが知りたいです 笑

平岡

悩んでる方が多いってことは、それだけ難しいのでしょうけど。

川添

そもそも相手が、こちらのことを理解しようと思っていない場合は、どんなに論理的に説明してもダメだと思いますね。

平岡

確かに、シャッター閉じちゃってたらね。

川添

そこをクリアしても伝わらないって事は、相手の常識が違うとか、そういう事があるかもしれないですね。例えばの話ですけど、「電車の中で、電話をするのは他のお客さんに迷惑だからやめましょう」って結構言われるじゃないですか。日本に住む大半の人は納得しますけど、もし、海外の方が来たら、「え?なんで?」と思うかもしれないし、そういう時は「日本でなぜそれが迷惑だと思われるのか」という所から説明をしなければいけなくなっちゃう。だから、相手とどこの前提まで共有されているのかが、そもそも分からない場合は、論理的に言ったつもりでも、伝わってないことがあるかもしれないですよね。

平岡

海外だと、普通に電車の中で電話しますし、犬とかも電車の中に平気で連れているのが普通だったりしますからね。常識が違う所で育った方だったら、伝わらない事が出てきてしまうかもしれない。

西原

確かにあるね。ほら、旅をする時の電車の中ではおにぎり食べるじゃないですか。新幹線とか、特急電車とか。けど山手線でおにぎり食べていたら、「なんだ?」ってなりませんか?

川添

そこにはきっと線引きがあるんでしょうね。

平岡

何キロ以上はOKみたいな雰囲気あるんやろうね。県越えるとOKみたいな、それも常識というか。

川添

無意識にそう思ってますよね。「なんで?」って言われたら難しいですけどね。

平岡

それぞれのルールになっちゃうかもしれないですよね。それこそ、「県越えてるから大丈夫なんだ」と言われても、「それは、おかしな話だよ」ってなっちゃうかもしれないしね。やっぱり、コミュニケーションをとることが大事なんですかね?

川添

そうですね。でも、あまり込み入った説明しても、結局分かんないってこともあるかもしれないので、もしなにか具体的にやってほしいことがあるんだったら、分からせるよりも「これやって」って言うのも良いかもしれないですね。

平岡

上司とか部下だったら、シンプルに指示を出しした方がいいという事ですね。

川添

そうですね。「これやってくれない?」って言った方がもしかしたら良いのかなって思います。

平岡

確かにそうですね。でも、同僚とか友達だったら、論理的にコミュニケーション取りたいと思っているかもしれないですよね。

川添

そうですね。後は、熱意とか、感情を伝えるっていうのも、もしかしたらありかもしれないですね。論理的に言われるよりも、「相手は、私にこうしてほしいんだな」っていう思いや熱意が伝わればやってくれる人もいるかもしれないですし。

平岡

熱量とか、声色とか、声量とかも言語学の一部っていう考え方もできるんですかね?

川添

そうですね。そういう面もあると思います。あとは、違う人に言ってもらうとか。自分が言ってダメでも、他の人に言ってもらったら素直に聞く人もいるかもしれないです。

平岡

他の人に情熱的に言ってもらった方がいいかもしれない。

西原

絶対に逆らえないような人に、言ってもらうとかですかね。笑

平岡

笑 それがいいかもしれないですね。参考になれば嬉しいです。次の質問です。

Q.電話で話す会話とチャットをすることはさほど変わらないと思いますが、なぜ若い方は電話が苦手と思うのでしょうか?すぐに相手の反応が返ってきてしまうことに怖さを感じるのでしょうか?

という質問でございます。若い方は電話が苦手という事なんですが・・・。

西原

我々だと、電話の方が早いって思っちゃいますけどね。

平岡

俺もそう。もしかするともはや、おじ様になっているかもしれないですね。

西原

「この人なんで、電話かかけてくるの?」みたいなことになってしまう?

平岡

なってしまうかもしれないですね。すぐに反応が返ってきてしまう事に怖さを感じてしまうのかもしれないという質問なんですが、川添さん、これはいかがでしょうか?

川添

そうですね。私個人的にも、電話よりもチャットが楽だなって思う時ってあるんですよね。電話で話す時は、相手がどんな人かな?というのがすごく気になりますし、相手がちょっと怖そうな人だったら、嫌だなとか、機嫌がいいか、悪いかというのが、すぐに伝わってくるじゃないですか。それで対応しなきゃっていうのが、すごいプレッシャーになったりしますし、あと、自分がちゃんと言いたいこと言えるのかなって言うのを考えると、文字でじっくり考えて言った方が正確に伝わるかも・・・みたいなことはあります。

平岡

電話だと情報量が多かったり、考えることが多かったりするからややこしいことがあるって事か。若い方は電話が苦手で反応が返ってきてしまう怖さがあるのでしょうか?とのことなんですけど、やっぱりそう感じる方は多いんですかね?

川添

そうですね。怖さを感じる方は多いと思います。やっぱり考える負荷が苦手だなと思う方が多いかもしれないですね。あとは、「沈黙がやだ」とか、話と話の間がちょっと気まずいかもしれないです。

平岡

なるほど。そう言われるとそうかもしれないです。

西原

よく、後輩芸人からLINEで連絡が来て、その返事を僕は電話でかけて回答する、とかやるんですけど、実は、相手は「なんで、掛けてきてんだ?負荷がかかるじゃねえかよ」って思っているんですかね?

平岡

笑 それは、思うよ。LINEの返信で、電話は結構、負荷じゃないですか?

西原

僕たまにやっちゃいますよ。

平岡

本当に!?話したくなっちゃうの?

川添

会話したいなと思って?

西原

伝える文章を考えると、「どうすればいいんだろ?電話しちゃった方が早い!」って思っちゃうんですよね。

平岡

あ~、文章めっちゃ長くなる時は、掛けちゃうけど、電話が来るとドキッとしますよね。「なんだろう?」って身構えちゃうから、相手にはそういう負荷はあるかもね。そういう事もありますから、電話を掛ける時は、「一回かけてもいいかな?」ってのを考えてからの方が良いかもしれないですね。でも、声が聞こえることで分かるというメリットもありますからね。

川添

それは、そうですね。声で大体の事は分かっちゃいますからね。

平岡

僕たちのマネージャーが、「あの、この間のオーディションの件なんですが…」って、もう声の時点で分かっちゃうんですよね。

西原

笑 そうそう。

平岡

ということで、臨機応変にチャットや電話を使っていきたいですね。ありがとうございました!川添さんには、来週もご登場いただきたいと思います。よろしくお願いします!

川添

よろしくお願いします!

西原

 以上、「教えて!川添先生」のコーナーでした。

平岡

「名言いかがですか?~笑って学ぶ神言葉~」 そろそろ終わりの時間近づいてきましたが、いかがでしたか?今日の名言を、人生のコーヒーブレイクにしていだたけると嬉しいです!今日は、ドラマの名言からお悩み相談まで幅広くお話ししましたが、西原さん、いかがでしたか?

西原

こんなに言葉について考えること、普段ないですよね。今、脳が働いていますよ。

平岡

そうね、すごい処理してますよ。でもね、声色とかも含めて“言語学“だということなんで、この配信で伝えられること、たくさんあるということですよね。

西原

これで我々、先週に引き続きまた1つレベルアップしましたね。

平岡

この番組は、コールセンター事業を手がけて40年、株式会社ベルシステム24の提供でお送りしました。ベルシステム24では現在一緒に働く仲間を募集中です!

気になる方は概要欄からベルシステム24のお仕事情報サイトBellbiz(ベルビズ)をチェックしてください!それではまた来週!お相手はコーヒールンバの平岡幸男と、

西原

西原朗演でした!

コーヒールンバ

松竹芸能所属。
コーヒー芸人として各メディアでも活躍する平岡と、ベルシステム24に在職中の西原のコンビ。西原は20年間もベルシステム24で働いており、会社では頼れるベテラン管理者としても活躍。

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