コワーキングサウナを作ったサウナ部長に話を聞いたら、次世代の働き方の話になってしまった<後編>
次世代の働き方からマネジメントまで語り尽くしたサウナ愛200%の鼎談 後編
お疲れ現代人のみなさま、度々失礼いたします。ナツママです。
みなさーん、ととのってますか〜???(※)
先日ご報告の通り、ベルシステム24にサウナ部ができました!部員は20名を超え、現在も着実に人数を増やしております。
当社サウナ部創設を記念して、文具やオフィス家具で有名なコクヨさんのサウナ部の部長であり、昨今の企業サウナ部ブームの礎を作った男、企業サウナ部界のレジェンド、コワーキングサウナプランナーでもある川田さんに独占インタビューを実施。コクヨのサウナ部を創設した背景、コワーキングサウナを中心に次世代の働き方やマネジメント手法までをたっぷりお聞きしてきました。
※「ととのう」とは、サウナ浴と水風呂での温冷交代浴を繰り返すことで、血行がよくなり、身体中に酸素が行き渡ることで、自分でもびっくりするぐらい心地よい状態になること。サウナー用語。
前編終了間際、12時のアウフグース(※)に行き、すっかりととのったメンバー。
後編はコワーキングサウナの反響や、コワーキングサウナを一例とした新しい時代の働き方、人が持つべきマインドにまで話が広がり??はたしてこの話、着地するのか?
※アウフグース:サウナストーブで熱した石に水をかけ、蒸気を発生させ、タオルなどで拡散。利用者に熱波を送り一気に深部体温を上げるプログラム。短時間で大量の発汗。部屋全体がアロマの香りに包まれ、リラクゼーション効果も高い。
世界初?!のコワーキングサウナ。とがった提案に周囲の反応は?
うん、だって僕ら、もうととのってるから。(アウフグースにより一旦対談が中断。前編参照)
いや〜、よかったよね〜。
最高でしたね。僕ら今、体からシナモンの香りが漂っててね。
平賀さん、(アウフグースの時)すげー良いポジション取りましたよね〜。「すげー!あそこで最後までおれんのや」って思いながら見てました。
いや、空いてたんですもん。
特等席だったよね。
まあ、そんな感じでととのった僕らですけど、先ほどまではサウナ部設立の背景とコワーキングサウナを思いついたきっかけなどを聞いたわけですが。
お、インタビュアーっぽいね〜。
恐れ入ります。アウフグースとサウナ、そしてこの空間がそうさせたっていうことで。(笑)
コワーキングサウナを思いついたのはいいのですが、結構とんがったアイデアですよね。それをプレゼンした時の反応はどうだったんですか?
それがね、「ほんまにお前何言うてんねん」って言われると思ってたんですよ。いち利用者、大ファンとして言ってるだけだから。しかも僕も川崎さんも先日、フィンランドサウナアンバサダー(※)に任命されましたけど、フィンランドの人に聞いたら、3家庭に1つは自宅にサウナがあるフィンランドにも、コワーキングサウナはないんです。
え、じゃあ世界初なんですか。
たぶん。(笑) でも間違いなく先進的な取り組みで、日本独自の取り組みなので、多様化した事例としてフィンランド側もすごく注目していて、ぜひ発信していきたいって言ってて。
フィンランドも注目!それはすごい。
そう。そんなとんがった企画を、スカイスパYOKOHAMAの金社長に話したら、「おもしろい」って二つ返事で言ってくれたんです。「え、いいんですか?」と僕が逆に驚いたくらい。
さすがですね!
全国の温浴施設の老朽化とか、利用者の高齢化なんかもある中で、サウナを楽しむ20代30代のメンバーが目の前に来て、利用者に楽しんでもらうための企画を提案してきた。それで乗ってみようと思ってくれたんだろうと。
※フィンランドサウナアンバサダー:日頃からフィンランドサウナの魅力を SNSなどで発信しているサウナーでフィンランドサウナ啓蒙のためにフィンランド政府観光局から選ばれた100名。今後展開される様々なキャンペーンを観光局と共に盛り上げて行く重要な役割を担う。
「3日かかる記事制作が1日で終わった」予想以上の好反響
そんな最先端のコワーキングサウナ、できた後の利用者の反響はどうだったんですか。
これね。・・・想像以上。(ニヤリ)
わははは。すごいですね。
正直、コアターゲットは見えていたものの、どこまで一般の方に気に入っていただけるのか。私自身が大好きなスパなので、もしこれがきっかけでお客さんが減ってしまったら、と思うと不安な訳ですよ。
ドキドキだったわけですね。
うん。とはいえ、テストマーケティングで、絶対一定層ニーズがあるのは分かった。「誰も使わなくても僕が毎日使うよ」みたいに言ってくれた人もいましたね。
けっこうな熱量じゃないですか。
あとびっくりしたのは、サウナ部のメンバーがこっそり体験して、事後報告してくる人が増えて。聞いたら1ユーザーとして体験してみたかったって言うんですよね。
設計者の想いが入っちゃうと、イメージができあがっちゃうから嫌だったんだ。
そうみたいです。感想を聞いたら、仕事がめちゃめちゃはかどる、という感想をくれて。
「当初想像していたよりも、ずっとはかどって、企画書がすごく練れた」と言う人もいて。
すごいですね。
オフィスでは出なかった発想が生まれたと言ってくれる人がいたり、新聞記者さんとかライターさんは3日分の原稿をここでやってみたら1日で終わりました!と言う人もいましたね。
それ、早く体験したいですね〜。
次世代のマネジメントに必要なのは「信頼関係」
いや、でもね、このコワーキングサウナもそうですけど、こういう自由な働き方って目の前にいない=仕事をしていないと考える上司がいると、うまくいかないですよね。
いや、本当にそれは話題になってるんです。これからはマネジメントの仕方、管理の仕方は変わってくる。「管理」っていう言葉自体がもう違和感があって、「全員会社にいなさい」みたいだとうまくいかないですよね。
「点呼をとります!」みたいなね。
これからの時代の仕事の成果って、時間や場所にとらわれないものになっていくと思うんですよね。ゴールのビジョンに向けて効率的かつ価値のあるものを、いかに訴求できるかを求められる。上司も部下も過去の経験とか常識を一部捨てて、変革を迫られてますよね。
そんな中で、僕が絶対大事だなと思ってるのは、本当に改めてなんですけど、
信頼関係
だと思うんですよ。
おー。あえて。一周まわってね。システムとかじゃなくてね。
そう。土台にあるのは技術よりも信頼関係だと思っていて。結構みなさん、Howの部分を考えるんですよね。外でも仕事できるパソコンがあります、テレビ会議ができるツールもありますとか。それはとってもいいんですが、それを使うのはあくまでも人間。
そうですね~。ほんとそう。でもチームがバラバラに動いてるなかで、信頼関係をどうやって深めればいいか、って悩みますよね。
僕の場合はまず、「オフィスに帰ってこなくていい制度」を作ったんですよ。コクヨはスーパーフレックス(コアタイム設定の無いフレックスタイム制度)を導入しているので、もともと何時に来て何時に帰ってもいいんですが、僕は予定表に「サウナフレックス」とか勝手に入れて、スカイスパに直行して直帰したりしてたんですよね、ははは。
「サウナフレックス」って。サウフレね。
それ僕も使いますわ。「サウフレ」。
使ってください。あとね、似てるんですけど、スケジュールにプライベートなことを入れていいって言ったんですよね。会社のスケジュールには「誰々と会食」は書いても、友だちとの飲み会はあんまり書かない。でも僕は率先して入れまくったんですよ。ほぼ毎日何らかのイベントや飲み会やってるので。『帰社・サウナ』とか。
あー、それいいね!パーソナルな部分って、会社に持ち込んじゃいけないみたいなイメージがあるから、仕事だけになって、意欲に繋がらない人も出てくる。
パーソナルな部分をお互いに出さない遠慮が、仕事にも出ちゃってるように感じるときありますね。ライブに行きたいと思っても、なんか言っちゃいけないと思うんですよね。嘘ついたりして。我慢しちゃってる。
もったいないですよね。一石二鳥で両方頑張ればいいじゃないっていう。スケジュールにプライベートなことを入れると、部下からすると、上司のキャラクターがよくわかりますし、もう1つ、部下から時間外の急な相談が来なくなったんですよ。いないのを知ってるから。それでも上司に相談したいなら、上司の時間を取りに来るわけですよ。
上司の帰る時間を逆算して、メールだけ打っておこうとか。一方で上司は仕事の振り方も変える。それでチームにはプライベートもどんどんやれと言う。そうすると、やりたいことのために自分で時間のコントロールをするようになるんです。
僕らで言うところの、12時のアウフグースに間に合うように対談終わらせた、みたいなね。
そう。それは絶対終わらせるじゃないですか。そういうことです。
それはすごいね!Googleの優れたマネジャー育成のための行動規範の一番はじめにも、「部下のパーソナルな部分まで知って配慮する」っていうのが出ているくらい、これからは非常に重要な観点なんだな、と思いますね。
そうじゃないと、これからはマネジメントできないと思ってるんですよ。お互いの最大限の力を発揮して会社の目標を達成するためには、パーソナルな部分までお互いに配慮しないとパフォーマンスが上がらないと思うんですよね。そういう意味でも自分にも部下にも「公私混同」をススメています。
だから僕がよく言っている「公私混同」ってこれからの時代にマッチすると思うんですよね。
話はついに、新時代の「生き方」へ。結末はいかに??
僕はビジネスは創造型と問題課題解決型に分かれると思っていて。これからのAI時代は、ITが課題解決の方に対応していく。そうすると、ワーカーに求められるのは創造型の仕事です。
で、その創造型の成果を生み出せる場所の1つがこのコワーキングサウナだと思ってるんですよね。
確かにどこで新しいものを生み出そうかってなったら、ぱっと浮かばない。自分のデスクで創造的なことをやってくださいって言われても、ちょっと自信なくなりますね。家でも会社でもない、でもリラックスできて創造性を刺激してくれる場所ってこのコワーキングサウナくらいしか思いつかない。
これから会社で働く時間って確実に短くなると思うんですよね。そうなると、パーソナルな時間が増える。そこも含めて「どう働くか」が問われるわけですよね。それってもう「どう生きるか」ていう大きなカテゴリーになって、僕はそれを含めて健康経営を考えるべきだと思っていて。
いやほんと、そうですよね。「生き方」って考えると、健康は欠かせない視点だし、その健康を保ちながら、創造的な仕事ができるのがサウナだってことで。
サウナ、すごいっすね。
サウナで一人ひとりの生活が豊かになって、そうなると世の中がもっと良くなって、そうなると・・・。
世界平和にも繋がりますよね。
世界を平和にしましょう!サウナとスパで。
そういう仲間が増えたなっていう喜びはすごく強いです。サウナの良さが世の中にどんどん浸透していって、世の中全体がびっくりするようなものをみんなと一緒に作っていけたら、僕としては嬉しいなと思います。
サウナで世界平和!
- スカイスパYOKOHAMA
- www.skyspa.co.jp
- 横浜市西区高島2ー19ー12 スカイビル14F(“マルイシティ横浜”同ビル14F)
- TEL 045-461-1126 FAX 045-440-1088
- 営業時間:10:30~翌朝9:00(22.5時間営業)・年中無休※浴室のご利用は朝8:30迄※中学生以上のみ利用可
- 宿泊:可 / 入浴料、施設利用料: https://www.skyspa.co.jp/charge/
いかがでしたか?サウナ部って何やってるの?という話が、最後は「サウナで世界平和」という壮大な結末に。
シナモンの香りを漂わせながら、次の世代の働き方と世界平和を本気で考える彼らにおののきながら、でも本当にそんな時代がくるかもしれないな、と感じさせてくれる鼎談となりました。
みなさんは会社で、自分のパーソナルな部分を話すことはありますか?これからの自分の生き方を見つめ、仕事とプライベート両方楽しむためのきっかけに、あなたの会社でもぜひサウナ部設立を検討されてはいかがでしょうか?
そしてベルシステム24のみなさん、部員大募集中です!興味のある方、連絡くださいね!
さて(前回から)だいぶいい感じに話が自動的に進んでいるっていう。