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プライド月間企画!CSR執行役員と当事者社員がLGBTQをテーマに本音対談!

真のフレンドリー企業になるために社員に気づいてほしいこと

健茶(けん・ちゃ-)

こんにちは。健茶です。
皆さんは『プライド月間』をご存じでしょうか?

知っている!という方は、おそらくLGBTQに対する意識、関心が高い方ではないでしょうか?
LGBTQ当事者である私でさえ、しっかりと理解は出来ていませんでした。

『プライド月間』とは、世界中の至るところで、多様なセクシュアリティを称すLGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニング/クィア etc.)の権利について啓発を促すイベントやパレードが行われる1か月間。毎年6月が『プライド月間』となっています。

2021年6月、ベルシステム24では、『ベルプライド月間 ~ Bell Pride Month ~』と題して、1か月のあいだ社内でLGBTQ+関連情報を毎週発信しました。当社でも初の取り組みです。

今回は社内配信したコンテンツの中から、CSR管掌役員と筆者、健茶の対談の様子を公開します!

『プライド月間 ~Pride Month~』とは?

「世界最大のプライドパレード」とギネス認定されたブラジル サンパウロのパレード風景
出展:『Parada do Orgulho LGBT de São Paulo』公式ウェブサイト
http://paradasp.org.br

「プライド月間」は知らなくても、世界中の大都市で開催されている『レインボーパレード』は知っている方も多いかもしれませんね。レインボーパレードも、実はこの「プライド月間」を発端として実施されているイベントの一つなんです。

なぜ、6月が「プライド月間」となったのでしょうか?
その起源をたどると、1969年6月までさかのぼることになります。

1969年6月28日ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール」で、警官の捜査に対して性的マイノリティ達が抗議運動を起こし暴動に発展しました。その事件が、その後のゲイ解放運動を盛り上げる大きなきっかけの一つとなり、『ストーンウィールの反乱』と称されています。
このストーンウォールの反乱を忘れないよう、毎年6月最終日曜日にニューヨークやサンフランシスコでプライドパレードが開催されるようになり、6月末の週をプライドウィーク、6月をプライドマンス(プライド月間)と呼ぶようになりました。

現在では、LGBTQに対する理解は高まっていますが、1969年当時は合法的に差別を受けている時代でした。その時代の人々の気持ちを忘れないという思いが、「プライド月間」を全世界に広げる原動力になってきたのかもしれません。ストーンウォールの反乱を描いた2015年の映画『ストーンウォール』は、暴動にまで発展させてしまった当時の人々の心情を色濃く表現した映画になっています。興味のある方はぜひ見てみてください。

映画:「ストーンウォール」公式サイト
http://www.at-e2550.sakura.ne.jp/stonewall/

CSR管掌役員と当事者社員がLGBTQをテーマに本音対談!

ベルシステム24では、LGBTQ+の理解関心を深めるための様々な社内活動を行ってきましたが、(詳細は以下「ベルシステム24のLGBTQ関連の取り組み」参照)今回はCSR推進室の立ち上げや、当社の人権方針の整備などを推進した管掌役員の景山 紳介さんと、LGBTQ&ALLYコミュニティ結成当初より活動をしてきた社員であり、LGBTQの当事者でもある筆者、健茶との対談の模様を紹介したいと思います!

景山 紳介 執行役員

景山 紳介 執行役員

コンサルティング会社の勤務を経て2016年ベルに入社。
CSR推進室立ち上げ、人権方針の整備を行う。

林 健太郎

林 健太郎

2000年ベルにコミュニケーターとして入社、現在は正社員としてオペレーション管理者を務める。
LGBTQ当事者であり、LGBTQに関わる取り組みを社内外で積極的に行う。

景山

今日はよろしくお願いします。私は5年ほど前にベルシステム24(以下、ベル)に入社して、CSR推進室を立ち上げ、人権方針やCSR方針などの方針の整備を進めてきました。LGBTQや女性活躍推進や子育てなど、いろいろなテーマに取り組んでいまして、そんな中でこの対談をとても楽しみにしていました。

健茶

よろしくお願いします。僕自身は、今まで特に自分のセクシュアリティを隠すこともなく過ごし、嫌な思いも働きづらさもなく、おかげで20年もベルで働き続けられていると感じています。実は社内でのLGBTQの取り組みに関わることで、「誰にも言えないけど私も当事者なんです」などカミングアウトされることもあります。

自分が語ることで、「話してみようかな」「自分の生き方や行動を変えてみようかな」と考えるきっかけの一つになり得る、ということに達成感を感じて取り組んでいます。

LGBTQ当事者は「実は身近にいる」ことを知ってほしい

当事者である健茶との対談を楽しみにしていたという景山執行役員
景山

さっそくですが、健茶から見て、会社・社員に気づいてほしいことなど、ぜひ教えてください。

健茶

LGBTQに関わる社内アンケートの回答で「周囲に該当者はいないので、理解は必要ありません」というコメントを目にしたことがあります。まだ自分には関わりのない話だと思っている方も多いと感じます。当事者がいても、本当のことを言えないがために、日常小さな嘘をついて、ストレスを抱えている人が周囲にいるかもしれないということをまずは知ってもらいたいですね。

景山

確かにそうですね。LGBTQ当事者の方は一般的に7%~9%いらっしゃると言われてますよね。
当事者の方の中には、実は我慢して黙っている方もいるので、まずそれだけの数がいるということを知ってほしい、というところですね。健茶は、その先を見据え、この会社をどういう会社にしたいと思いますか?

健茶

LGBTQ当事者が同じ職場にいたときに、どういう問題が起こり得るのかを知り、想像し、多くの人がもっといろんなことを発言しやすいようになると良いですよね。以前、トランスジェンダーの方が働く職場の管理者に、「その方、お手洗いはどちらを使っていたの?」と訊ねると、「そんなこと考えたこともなかった」と答えられました。

知らないから想像がつかないのは当然で、だからこそ、まずは知ってもらうことが重要だと感じます。

「差」と「差別」は、違う!「正しく無関心」が理想的

緊張しましたが会話をリードしてもらえたので、話したいことをうまく引き出してもらえました
景山

休憩室などで交わす冗談交じりの言葉が、無意識に差別的な発言となり、カミングアウトを妨げているケースがあります。一定割合いるという前提の中で、発言も気を付けていかないと、無意識に傷つけてしまうことがあるわけですよね。当事者の方の立場で考えたときに、LGBTQに関して知ったうえで、どんなことに気を付けるべきなのでしょうか。

健茶

例えば、障がいのある方は働くうえでアシストが必要な場合もあると思いますが、LGBTQに関して言うと、仕事をするうえでは、周りのみんなと何も変わりはないんですよね。

「ゲイなんです」と言われたときに、特別視しない。「あ、そうですか。」といった反応が一番自然で、話しやすくなると感じます。

カミングアウトされた場合、「あなたにだけ話しました」という方もいらっしゃるので、「これは私だけでとどめておいた方がいいですか?」と確認をする配慮もできると良いですね。

今はまだ「知らずに無関心」な人が多い状態だと思いますが、当事者のことを知り、特別な対応、特別な関心を払う必要もない、「正しく無関心」な状態が理想的ではないかと感じます。

景山

なるほど、そうですね。差は差としてあるけれど、やってはいけないことは、“差をもって差別をするということ”と私も考えます。3万人いると3万人全員違うので、差と差別は違う、ということを意識していきたいです。

マイノリティの立場に立って考えたい!

マイノリティの立場に立って積極的に活動していきたい、と景山さん
景山

このような機会は初めてで、率直な思いを聞くことができ、大変貴重な時間でした。
最後に健茶は今後、どういった活動をされていこうと思いますか?

健茶

昨年は、社外のマイノリティ当事者の方を本に見立てて話を聴く『ヒューマン・ライブラリー』を開催しました。 参加者から好意的なコメントをたくさん頂いたので、是非また同様の企画をしたいです。ただ前回は50名程の参加に留まりましたので、より広く、現場コミュニケーターのみなさんに参加いただき、会社のこういった活動を知ってもらいたいので、情報発信の仕方も工夫していきたいです。

景山

今日の対談で、マイノリティである当事者の方の立場に立って、理解することが重要であると、実感しました。CSR推進室でも、LGBTQ支援について積極的に活動していこうと思います。
是非また何か一緒にできればと思っているので、引き続きよろしくお願いします!

地方の一現場担当社員として働いていると、自社の役員とお話しをする機会は多くはないと思いますが、メイン業務とは少し違った活動に携わっていたからこそ、今回このような機会に恵まれました。

こうした本業以外の活動も後押ししてくれる風土が好きで、僕も長く働き続けられたのだと改めて感じました。

課題はまだ盛り沢山だと思いますが、良い方向に進んでいける下地は整ってきていると感じます。

記事を読んでくださった皆さん!
ウチ、イイ会社ですよ!

ベルシステム24のLGBTQ関連の取り組み

PRIDE指標Goldを2019年に受賞。社内での啓発活動も活発に行っている

ベルシステム24は、2018年に「PRIDE指標2018」でブロンズを受賞、2019年に初めて最高位であるゴールドを受賞しました。その後、2020年にも最高位ゴールドを受賞し、現在2年連続で最高位を獲得しています。

※PRIDE指標:LGBTQなどの性的少数者(以下:LGBTQ)に関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideが策定した、企業や職場におけるLGBTQへの取り組みの評価指標。

ベルシステム24は、「PRIDE指標」の評価項目の中で下記実績で高い評価を受けています。

1. Policy(行動宣言)

ベルシステム24は、公式webサイトを通し人権方針を公開しています。そこにはしっかりと「性別・性自認・性的指向・性表現」などによる差別を行わない旨が記載されています。

■以下ベルシステム24 人権方針より抜粋

2. 差別のない職場と社会
我々は、国籍、人種、民族、出生国、出身地、皮膚の色、宗教、思想・信条、言語、性別・性自認・性的指向・性表現、年齢、障がいの有無、婚姻、妊娠、健康状態、雇用形態、社会的身分などによる差別をすべての事業活動及び取引において行いません
https://www.bell24.co.jp/ja/csr/humanrightspolicy/index.html

2. Representation(当事者コミュニティ)

LGBTQ当事者及びALLYの社員有志によるコミュニティの結成と活動を支援。

■コミュニティ活動紹介記事

全国で2番目の規模。多様性の祭典、関西「レインボーフェスタ!2018」にボランティア参加してきた話
https://www.jimotatsu.com/Naka-no-hito/rainbow-fes.html

『ヒューマン・ライブラリー』に「本」として貸し出されました
https://www.jimotatsu.com/Naka-no-hito/j1/humanlibrary.html

3. Inspiration(啓発活動)

  • 社外の当事者 / 有識者を招いて講演会の開催
  • 社員向けのLGBTQ関連のeラーニング、スモール研修の開催
  • ALLYを表明してくれる社員へ「LGBTQ ALLY」のステッカーを配布
ALLY宣言をしてくれた方へ配っているステッカー

4. Development(人事制度)

「同性パートナーおよび事実婚パートナーを持つ社員を対象に人事労務規程を改定」するなど、すべての人が平等に職場で働けるよう既定の改定なども行われ、就業規程に記載されている"配偶者"の定義に「同性パートナー」及び「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」を追加しました。

5. Engagement/Empowerment(社会貢献・渉外活動)

  • 採用イベントにてLGBTQフレンドリー企業としての会社紹介実施
  • 社外のプライドイベントへ協賛、有志社員でパレードへ参加

■レインボーフェスタ2019 参加レポート

セクシャリティなんて気にしない。仕事もパレードも一緒に歩いてくれる同僚に感謝した話
https://www.jimotatsu.com/special/j1/rainbow-fes2019.html


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