なでしこ銘柄に選定された企業の社員が思うこと その1
ダイバーシティー推進担当者で女性管理職 - 君島さんの場合
みなさん、こんにちは。ロイレオです。
3月22日、ベルシステム24が「なでしこ銘柄2018」の選定を受けました。
「なでしこ銘柄」は、政府が「女性活躍推進」の促進・加速化を図るため、2012年度より、女性活躍推進に積極的に取り組む企業を「魅力ある株式の銘柄」として、経済産業省および東京証券取引所が選定するものです。
各業種ごとに受賞枠が決まっており、サービス業には2枠が割り当てられ、当社が受賞いたしました。
2018年度の「なでしこ銘柄」 選定企業42社は次のとおり。
カルビー、キリンホールディングス、味の素、日本たばこ産業(JT)、国際石油開発帝石(INPEX)、大和ハウス工業、帝人、大王製紙、三井化学、DIC、アステラス製薬、日本特殊陶業、住友電気工業、LIXIL(リクシル)グループ、ダイキン工業、日本電産、オムロン、セイコーエプソン、堀場製作所、ブリヂストン、島津製作所、トッパン・フォームズ、東京ガス、東京急行電鉄、野村総合研究所、NTTドコモ、SCSK、双日、丸井グループ、イオン、三井住友フィナンシャルグループ、千葉銀行、みずほフィナンシャルグループ、大和証券グループ本社、SOMPOホールディングス、アフラック・インコーポレーテッド、第一生命ホールディングス、東京海上ホールディングス、ケイアイスター不動産、イオンモール、スリープログループ、ベルシステム24ホールディングス
いずれも、名だたる有名企業ばかりです。
今回は、なでしこ銘柄取得を記念して、社員3名の視点を通じて、当社の女性活躍推進の取り組みについてひも解いていきたいと思います。
第1回は、ダイバーシティー推進の担当者で、女性管理職でもある君島さんに話を伺いました。
なでしこ銘柄に選定された企業の社員が思うこと その1 - 【ダイバーシティー推進担当者で女性管理職】君島さんの場合
「当社は、いろいろなチャレンジを受け入れる」
2016年設立なので、3年目です。ただ、グループが現在推進する取り組みは2012年に発足したプロジェクトから始まっているので、ダイバーシティー活動自体は、取り組むようになって7年ですね。
グループの具体的な活動内容、ミッションを教えてください。
当社のマテリアリティ(※)のひとつである、「人材と働き方の多様性の実現」を最終ゴールとして、女性活躍推進だけでなく、働き方改革、企業文化風土の醸成など、ダイバーシティ全般の推進をしています。そういった取り組みについて、外部評価を得るための窓口も行っています。
※ CSR領域における「重要課題」
女性活躍推進という枠組みでは、本年度は「なでしこ銘柄」だけでなく、「プラチナくるみん」にも認定されました。昨年は、「えるぼし」の3つ星も取得しており、外部認定としては、そのほかにも「健康格付け」や「LGBTプライド指標」なども認定を受けています。
これまでに受けた外部認定(2019年3月現在)
- 2019年3月 なでしこ銘柄2018
- 2019年2月 プラチナくるみん取得
- 2018年8月 LGBT PRIDE指標ブロンズ
- 2018年7月 健康経営格付け
- 2018年4月 えるぼし三ツ星
- 2017年7月 テレワーク100選企業
すごいですね!
ありがとうございます!(笑)
会社組織としてグループができてから、さまざまな取り組みが形になってきているんです。2016年に初めて沖縄は豊崎で開設した企業内保育園は、昨年福岡てんじんに2つ目をオープンして、今年さらに増やす予定です。
人事制度も新しくなりましたよね。たとえば子育てや介護などでフルタイム勤務が難しい方も、段階的に正社員を目指せるように新しい役職が増えるなど。選択肢を増やしたことで、地域限定での採用の方や将来的にフルタイムで働きたい人も間口が広くなりましたよね。
そうですね。制度の改定や施設の開設については、会社にダイバーシティー推進専門の部署ができたことで、導入のスピードがアップしたのではないかと感じています。
経営陣は活動にどのような形で関わっているのでしょうか?
マテリアリティの明示や社外向けに開示している情報をはじめ、社内向けのダイバーシティ活動推進方針の策定にも責任者として参画いただいています。
ダイバーシティーという観点では、2月には本社に障がい者社員が運営する企業内カフェもオープンしましたよね。
はい、障がい者が活き活きと働ける仕組みづくりにも積極的にチャレンジしています。
他にも、言語が実務レベルに届かない外国人の方や、PCスキル・コミュニケーションスキルなどが採用基準に届かない方でも、就労前研修を行うといった就労サポートを行う施設「SUDAchi」も開設しています。こういったものも成果を上げていると聞いています。
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そんな当社の一連のダイバーシティー活動のなかで、女性活躍推進はどういった意味を持っていると思いますか?
そうですね、社長が以前話した言葉が心に残っています。
「当社にとってのダイバーシティ推進は経営方針ではない、経営理念である」
当社は社員の7割が女性ですよね。ですので、女性活躍推進は会社の将来に関わる重要な施策だと思っています。すべての女性が管理職になって欲しい、ということではありませんが、女性社員もライフイベント等の状況に応じて働くことができ、キャリア形成ができる環境があるということ、そういった選択肢があることが大切だと思っています。
今回、なでしこ銘柄にも選定されたわけですが、要因は?
そうですね、いろんな企業との方とダイバーシティの進捗状況についてお話しすることもあるんですが、当社は実際に行動に移して、チャレンジを続けているな、と感じますね。
ダイバーシティーの取り組みは、社員のマインドのリセットも必要ですし、時間をかけてやりたいという企業も多いなかで、グループができて数年で、具体的な行動に移せた。たぶんそれは、チャレンジを受け入れる土壌ができているからだと思いますし、そこが当社のいいところだと思いますね。
ダイバーシティー推進は、当事者だけが恩恵を受ける訳ではない。今後は介護や女性管理職比率のUPにも取り組みたい
ちなみに、君島さんがこれまで推進してきた取り組みで印象深いものはなんですか?
やはり企業内保育園の開設ですね。驚いたのは、当初は子どもを預けている関係者にしかメリットがないと思っていたのですが、そんなことはなかったんです。最初は、一部の方から、保育園ができると子どもの声をうるさいと感じる人がいるのではないか、あるいは子どもがあまり好きではない人に不快な思いをさせるんじゃないか、とか。そういった不安があったのですが、開園した後に上がったのは、会社の中に保育園があると癒される、元気をもらえる、といった声でした。
私も何度か訪れていますが、職場の雰囲気がすごく良くなるというか。和やかな雰囲気になったと感じます。
子どもたちが散歩などに行ったりするときに、社員の人とすれ違うとお互いに挨拶をしますし、例えばハロウィンのときは、子どもたちが「トリック・オア・トリート」と言いながら、休憩室を回ってお菓子をもらったり。ほかにも保育園の担当者ではない社員がサンタさん役や豆まきの鬼役をやってくれたりしていて、すっかり会社にもなじんで、日常の風景として受け入れられてるんですよね。
これは他のダイバーシティーの活動にも言えるのですが、女性活躍推進は、女性だけが恩恵を受けるということではない。女性が働きやすい会社というのは、男性も含めた全ての社員にとって働きやすい会社になるんじゃないかということがよくわかるいい例だと感じていて、やっぱり一番印象深いかな。
女性活躍推進で言うと、もともと2012年から女性活躍推進ネットワークをプロジェクト化して活動していましたよね。そこから、3年前にダイバーシティ推進の専門のグループが新設されたのですが、それまでとの違いは感じましたか?
プロジェクトでは、いろいろ話し合って提案まではするんですが、提案で終わってしまうこともあったように感じます。制度の変更や保育園をつくる、ということになると、組織化して専任者がいないと難しい。プロジェクトのとの連携や担当範囲もわかりやすくなりましたしね。
実感として、会社の中での変化は何か感じられますか。
それはありますよね。当社はテレワーク100選企業でもありますが、制度の導入なども進めて、モバイルワークやフレックスの利用も当たり前になりつつあります。社会全体の意識の変化もあると思いますが、男性でも女性活躍推進のプロジェクトに入りたいと言ってくれる人がいたり、7年前と比べるとだいぶ違うかなと思いますね。
女性管理職比率の数値目標を置いたというのも、効果があったと思います。徐々にではありますが、確実に女性管理職は多くなっていますし、その一歩手前、候補者となる層の形成もできてきていると感じます。
グループの今後の活動目標はなんでしょう?
今までに実施してきたダイバーシティ推進施策の効果が徐々に表れていると思いますので、内容を進化させながら継続していきます。女性活躍推進については、今後は女性管理職比率だけでなく、全ての階層における女性社員比率も指標として見ていきたいと思っています。さらに、社会的にも大きな問題となるであろう介護との両立についても施策を推進していきたいと思っています。
「過去の成功体験にとらわれず、変化を受け入れられる人材になりたい」
君島さんは、自身も女性管理職でらっしゃいますが、もともとのキャリア志向はどうだったんですか。
実はあまり考えたことはなかったんですよね(笑)。期待されれば、それに応えたいという意欲はありましたね。でも具体的に「役職」として何かを目指すというのは、あまり考えたことがなかったんです。
でも、いい上司との出会いもあって、役職が上がった時に、保育園のプロジェクトやダイバーシティーのプロジェクトなども任せてもらえるようになって。期待に応えたいと続けていた結果、今がある気がしますね。
これから先、君島さん自身はどんなビジネスパーソンになりたいですか?
え~・・・。難しい質問ですね~。(笑)
過去の成功体験にとらわれず、変化に対応する。変化を受け入れられる人材になりたいですね。
特にマネジメントの観点で言うと、自分の価値観だけで物事を伝えたり、周りの人に同じものを求めていくと、いつの間にか取り残されているのは自分だった、ということになる気がします。やっぱり対話、コミュニケーションを大事にしたいですよね。
それと、趣味で始めた英語が今では仕事でも使えるようになったのですが、始めた10年前にはそんなことは全然想像してなかったんですね。興味があったキャリアコンサルタントの資格も取ったんですが、管理職になって役立ってますし。ダイバーシティーを担当するようになって、女性のキャリアコンサルについても勉強したいと思えるようになったんですが、これも資格を取った当初はそんな未来は想像していなかったんです。
仕事に関係あってもなくても、ちょっとやりたいなと思うことは、これからも躊躇せずにやりたいですね。
自分がこうしたい、という原動力を仕事でもエンジンにしていけるような働き方をしたいです。
いかがでしたか?
当社では、多様な人材が、楽しく、安心して働ける、人に優しい職場(コミュニティ)を作ることを企業理念に掲げ、一人ひとりが新たな挑戦を続けています。ダイバーシティの取り組みをはじめて7年、始めはプロジェクトメンバーだけの小さな取り組みでしたが、徐々に企業文化や風土が醸成され、社員の一人ひとりがそれを実感できるところまで来たと感じています。次回は、二人の子どもを持つ女性管理職に、話をお聞きします!
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